新潟駅から2〜3キロ離れたところにある繁華街、古町通。1番から9番までの番地に分かれているが、その7番町にある郷土料理の店が「田舎家」。創業から50年あまり、昭和27年に先代主人が「わっぱめし」を考案したことで有名な地元の人気店だ。
間口はそれほど大きくないが、店内に入ってみると、奥行きが意外なほど広いのに驚かされる。手前はカウンター席、店内奥には小上がりの座敷とテーブル席、さらには2階席もある。50〜60人ぐらいは入れそうだ。
杉の板を使った丸い器が特徴の「わっぱめし」は600円から。ほかほかに炊き上げられた魚沼産のコシヒカリは、鮭やイクラなど地元の幸を使った具材との相性抜群。「わっぱ飯」といえば、東北地方では割と有名な食べ物で、駅弁としても親しまれているが、この店は商標登録済みであり、元祖といっても良さそうだ。
わっぱめしの他に、郷土料理を肴にのんびり酒を飲める店でもある。鮭の白子、赤ひげ塩辛、のっ平、神馬藻など、他ではなかなか食べられない献立が揃う。どんな料理なのか、店員に訊きながら注文してみるのもまた乙であろう。
地酒「越乃司」はすっきりとした味わいで、この店の料理に良く合うようにわざわざ地元の酒蔵で造っているとか。店内を彩る木のぬくもり、お店の人の温かい対応に、つい長居をしてしまうような居心地の良さがある。(2006.7.20記)
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