自由軒 千日前本店

難波(大阪市中央区)

アクセス

大阪市中央区難波3-1-34
近鉄なんば駅・日本橋駅から徒歩3分

電話番号

06-6631-5564

営業時間

11:20〜21:20

休み

月曜


賑やかな千日前のアーケードにある。

 


出てきてビックリの「名物カレー」。

 


普通のカレー「別カレー」もある。(600円)

 


織田作之介や創業者の写真、
有名人の色紙が飾ってある。

 

「大阪で初めての洋食店」を謳い文句にする、難波の食堂。創業は明治43年、約100年の歴史を誇る老舗である。建物は第2次大戦後に再建されたもので、賑やかな千日前のアーケード街の中にあって、その素朴な風情は際立っている。

店内ではオムライス、とんかつ、ハンバーグなど、洋食屋のお手本のようなメニューが食べられる。そして、ここの看板メニューはなんと言っても『名物カレー』(600円)だろう。初めて見る人はビックリすると思うが、カレールーと御飯が、あらかじめグチャグチャに混ざっていて、その真ん中に生卵が落としてある。アツアツのライスの上で黄身を割ると、半熟気味になって、絶妙な旨みが生まれる。

具は細かく刻まれたタマネギと牛肉。これらをフライパンで炒め、ライスとカレールーを混ぜ合わせているようだ。カレールー自体は、SB系のカレー粉を思わせる甘辛い味。安っぽいとも言えるが、この手の味が好きな人を一発で虜にさせるような中毒性を秘めている。

作家・織田作之助の『夫婦善哉』で、主人公が「自由軒のライスカレーはうまい」と称えているが、作之助自身も毎日食べに来るほどのファンだったらしい。

ご飯とルーが別の、いわゆる普通のカレーも、『別カレー』なる独特の呼び名で出している。『名物カレー』とは使うルーが異なるようで、味は若干甘め。やはり真ん中に卵が落としてある。どちらも味は良いが、量がやや物足りないのが難点か。

この『千日前本店』のほか、支店は『天保山マーケットプレース』というショッピングビルの1店だけ。これを聞くと、「アレ?」と思う人も居るかもしれない。というのは、『名物カレー』を売り物にしている『自由軒』という同名の食堂が、大阪の船場(せんば)や東京の新橋にもあるからだ。元祖は千日前の方だが、千日前の店を引き継いだのは創業者の二男、後述の『せんば自由軒』の方は五男が許可を貰って後から開業したという。

そして、東京の新橋や、以前横浜の『カレーミュージアム』にあった店(現在はありません)は、後者の『せんば自由軒』の支店である。なんともややこしい話だが、「2つの自由軒がある」というわけだ。ただ、千日前の元祖『自由軒』は、「同名の他店や、デパート等で売られているレトルトカレーの様なものとは一切関係ございません」と、わざわざWEBサイトに注意書きを入れ、『せんば自由軒』については一言も触れていない。過去に何やらあったのか、この2店は仲がよろしくないようである。

元祖『自由軒』が、創業元の千日前で頑なに昔ながらのスタイルを守り続けているのに対し、一方の『せんば自由軒』は心斎橋、梅田、東京(新橋・立川)、横浜と次々に出店している上、レトルト商品を全国販売している。完全にスタイルの違いが見て取れ、確執の原因もなんとなく分かる。カレーの味も、両店で微妙な違いがあるので、機会があれば食べ比べてみて欲しい。私はどちらかというと、スパイスの効いた『せんば自由軒』の味が好みである。

それにしても、この両店の確執、何とかならないものだろうか。客にとって、そんな事はどうでもいいことだし、ややこしい事この上ない。

<公式サイト>
(千日前 自由軒)http://www.jiyuken.co.jp/
(せんば 自由軒)http://www.senba-jiyuuken.jp/
※せんば 自由軒ではレトルトの販売あり。

 



大阪の名物的存在「大たこ」。写真では見づらいが、看板には「隣の店とは一切関係ありません」とある。

このレビューを書いていて思い出したのは、同じ大阪・道頓堀にある「たこ焼き」の店『大たこ』である。この店、大阪のグルメ情報を扱ったテレビや雑誌に必ず出てくるので有名だが、何故かすぐ隣に別のたこ焼き屋がくっついて営業している。つまり、たこ焼き屋が2店並んで競争している格好なのだが、その『大たこ』の看板にはデカデカと「隣の店とは一切関係ありません」と書いてある。

これぞ大阪商人の気質であろうか、東京ではあまり見かけぬ光景である。普通、隣で営業する前に他の場所を探したり、話し合って共同出資するなりして、解決を図ると思うのだが…。自由軒といい、たこ焼き屋といい、この感覚は私にはどうにも理解できん(笑)。皆さん、とくに大阪の方、いかが思われますか?


メニュー
名物カレー 600円
別カレー 600円
ハイシ(ハヤシ)ライス 600円
カツカレー 800円
オムライス 650円
チキンライス 600円
ハムサラダ 600円

瓶ビール 500円  ほか多数

皆様のレポート&感想

禅想

今、某は新橋でヨタヨタしているンですが、先日『自由軒』を見付けた訳で。確か以前、TVで自由軒は東京には無いと聴いた記憶が有って『?』な気分だったのです。メニューを盗み見てみると、やはりドライカレーに生卵を落とし込んだあのスタイル。謎は深まるばかりでした。コレですっきり。お家騒動、の余波がお客を混乱させている訳ですね。(04.8.18)

LANGFANG

カレーとは関係ないですが、横浜家系ラーメンの吉村屋は、「お向かいにある横浜屋とは一切関係ありませんので当店に文句は言わないで下さい」と書いてありました・・・関東の人にしては結構ハッキリ言っちゃってますね。(06.5.13)

哲坊

あ、そうでしたか。吉村家は以前に2度行っただけなので、地元なのに気付きませんでした(笑)。「横浜家」は交差点の斜向かいにある店ですが、そっちの客に何か文句でも言われたのかもしれませんね。個人的に味はどっちもどっちなような気がしますが。(06.5.13)

Yoshibei

この店、私のお気に入りです。横浜在住の私ですが、大阪へ行くと昼か夜に絶対に名物カレー(通称「インディアン」)を食べて帰らないと物足りない想いがします。卵の上にソースを軽くたらして、かき回して食べるあの快感…。あと、この店のアイデアとして、注文したものによって水の入ったコップのデザイン(ライン)が違うというものがありますね。創意工夫が上手だと思いました。(06.7.20)

小田急線の恋人

私も大阪へ旅行すると必ずこの店をおとずれていました。私は自分で言うのも変なのですが狂がつくほどのカレー大好き人間です。初めて食べた時身体中に衝撃が走る程の感動をおぼえました。皆さんも一度は行かれてみてください。少々物足りないところは量が少ないことかな。10.10.1

 

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