鈴 傳(本店)

四ツ谷(東京都新宿区)

アクセス

新宿区四谷1-10
JR、地下鉄丸の内線四ッ谷駅徒歩約5分

電話番号

03-3351-1777

営業時間

17:00〜21:00(酒屋は9:00〜)

休み

土日(酒屋は土曜も18:30まで営業)


酒屋の脇に、飲み屋の入口がひっそりと。

昔ながらに立ち飲み屋を営む店として知られる、東京四谷の鈴傳(すずでん)。ここは江戸時代から続く酒屋でありながら、その店の一角で、うまい酒を飲ませる形式を守り続けている。酒屋の一角で飲むことを「角打ち」というが、その元祖的存在である。

創業は嘉永4年(1851)だから、ペリー来航の2年前。下野国(栃木県)烏山の鈴木屋という小さな酒蔵の次男・伝兵衛が江戸に出て、ここ四谷で酒屋を始めたという。6代目店主の磯野元昭さんが、立ち飲み屋を始めたのは昭和24年(1949)。現在、店を任されているのは息子の真也さん。父・元昭さんは虎ノ門の居酒屋のほうをメインに経営していたが、3年ほど前に体を壊し、店先へ出ることは少なくなったという。
 


地下のカーブには銘酒がぎっしり並ぶ。
業者、飲食店経営者も直に買いにくる



酒飲み天国ともいうべき居心地の良さ。

当時、四谷には大蔵省もあり、現在の地下鉄丸の内線四谷駅のところには東京陸運局もあって、役人相手の商売にはうってつけの立地だった。当時は木造2階建ての店の1階を飲み屋として客に開放。近所の役人のほか、職人や魚屋、蕎麦屋の出前持ちが、昼間から店に立ち寄っては一杯ひっかけていったという。昭和31年(1956)、大蔵省が四谷から霞ヶ関に移転したのにともない、支店として居酒屋を虎ノ門に開業した。四谷の本店は酒屋として営業を続けることになったが、立ち飲み屋もそのまま続けられている。

 

店内には日本中から仕入れた酒が所狭しと並ぶほか、地下室があり、そこは12坪のカーブ(酒の貯蔵庫)になっていて、お客はそこに直接降りていって酒を選ぶことができる。品質を保つための徹底した管理が行なわれているのだ。

そして、店の左奥が立ち飲みのスペース。店先の脇にも小さな入口があり、外から出入りできるようになっている。細長い通路に小さなテーブルが並び、奥は少し広い空間。右側にカウンターと厨房があって、そこで酒と肴を注文する。すべて現金引換えだ。酒は常時10種類ほどが置かれ、月に一度の割合でラインアップが変わる。小皿に置かれたコップになみなみと注がれる酒は、一杯350円から600円。

 


肴に最適な品揃えが並ぶ。
会計はカウンターで現金引換え。


この日はマカロニサラダ、
アナゴの煮こごりで一杯。

あくまで主役は酒なので、肴は刺身や煮付け、おしんこ、マカロニサラダなどの簡単なものだけで一品330〜350円。それでも酒の味を落とさないよう、仕入れや素材にこだわり、仕込みにも充分な時間をかけている。厨房に立つおばちゃんたちはとてもやさしい。一見客にも常連客にも同じ笑顔を向けてくれる。「久しぶりね〜。今日は何がいい?」客と店との自然な言葉のやりとりが心地よい。

 

居酒屋のように居座ってダラダラと飲むのではなく、ちょいと一杯、好きな酒を楽しむ。これが粋な大人の飲み方であろう。まあ、そういいながらついつい長居してしまうのだけど(笑)。それだけ居心地のいい店なのである。(哲坊)



虎ノ門(支店)は居酒屋。

※鈴傳には地酒居酒屋の虎ノ門店もある。こちらは立ち飲みスタイルではなく、テーブル席で料理も充実した居酒屋。全国の銘酒を安価に飲ませてくれるありがたいお店として知られている。酒も肴も四谷本店より豊富に揃う。

東京都港区虎ノ門1-2-15
TEL.03-3580-1944


皆様のレポート&感想

コマッタサン

千葉県に住んでいる”コマッタサン”です。職場が新宿であった数年前は、仲間と月2回位コーナーでお世話になっていました。職場が変わってしまい、ここのところ、正月用にお酒を買いに行く程度になってしまいましたが、いつも、好みのお酒(石川県のあの有名な菊の花の色をした)を地下倉庫で見つけ、幸せになっています。08.2.17


貴殿の投稿が、この頁を作ります。何卒ご協力を!


この紹介文についてのご意見、または店を利用した際の感想などを
お聞かせください。次回更新時に掲載させていただきます。


メールアドレス

お名前(ハンドルネーム)


目次へ