まさに大衆酒場といった感じの外観。 　 店内の壁にはメニューがびっしり。 　 「本店」とある。都内に何軒か 支店があるようだ。 　 これが【ウィスキー・ダブル】。 飲めないのに面白がって頼まないこと！ 焼鳥は１本80円〜。 東京南エリアを代表する下町といえば蒲田（かまた）。この店はそんな下町の駅前に建つ大衆酒場である。一時期、この近辺で３年ほど独り暮しをしていたことがあり、その頃に見つけて以来通っている。 外観からして、競艇帰りの親爺とストレスを溜め込んだサラリーマンが群れ集う「男臭さ」を漂わせているが、店内もまさにその通り。ちょっとゴミゴミした蒲田駅前にあってなお、ひときわ存在感を漂わせているのがこの「鳥万」なのである。 独立した居酒屋には珍しく、この店はなんと５階建てで、１〜２階はカウンターとテーブル席、３〜４階が座敷になっている（５階は事務所や従業員の控え室などがあるようだ）。ちなみにエレベータはなく、入口脇の螺旋階段を登っていくことになる。 店内は、低い天井に木造の壁、これでもかと貼り付けられたメニューの短冊。おそらく100種類はあると思われるが、日によっては品切れも。焼き鳥は１本80円から、刺身や煮物など一品料理からご飯モノまで200円〜600円程度と安い。４〜５人で６時間居ても１人あたり3000円行かなかったこともある。どれを頼んでもまずまずの物が出てくるし、チェーン店とはひと味違う手作りっぽさがウリだ。 定番メニューから、珍しいものではアメリカンドッグ（280円）やら、オムライス（350円）などというものまである。以前あったカツ丼、たらこスパゲティも好きだったが、いつの間にか消えてしまった。このように、ちょくちょくメニューが変わるのにも注目である。 店の１階は１人〜２人客でほとんど埋まっているので、３人以上で行くとほぼ確実に２階以上に案内される。座敷には粗末な下駄箱があるが、それがいっぱいになると靴をビニール袋に入れて自分の席へ持ち込むことになる。トイレは各階にあるが、すべて男女兼用（和式）。混みあってくると順番待ちになることも。 この店、はじめは一人か友人２〜３人で「隠れ家」的に利用していたが、何時の間にか大人数の飲み会やオフ会に使うようになってしまった。いつも結構混んでいるが、広いので大勢で押しかけても入れなかったということはない。 そのかわり、大勢になればなるほど階上に案内される率が高く、また上に行けば行くほど店員の対応は「いい加減」になる傾向あり（決して愛想がないわけではないが）。従業員はパートのおばちゃんと20〜30代のアジア系の姉ちゃんたち。 一応日本語は通じるので大丈夫だが、伝票は手書きで、その都度１階の厨房に注文を通すため、一度にたくさん注文しすぎるとパニックに陥ることもあるので注意が必要。まあ、値段の安さもあるし、この店の雰囲気を楽しめる人なら気にならないレベルであろう。 この店でいちばん驚かされたのは、焼き鳥でも揚げ物でもない。焼酎やウィスキーの量である。たとえば「焼酎ロック」を普通に頼むと、ジョッキかサワーのグラスに半分以上入れてくれる。これがこの店のシングルサイズだから、ウィスキーのダブルを頼むと恐ろしいことになる。 サワーのグラスかジョッキに満々とウィスキーが満たされ、氷が浮いているのみだから、初めて頼んだ時は本当にたまげた。シングルが指ではなくコブシ１個分なので、我々はこれを「拳ダブル」と呼んでいる。素人にはおすすめできないが、敢えて頼むのなら同時に水も注文しよう。ちなみにホッピーを頼むと、ホッピーを注げないほど、ジョッキにたっぷりと焼酎を入れてくれる。なんとも気前の良い店である。 もちろんサワー類もある。レモンサワーはジョッキの中に大ぶりなカットレモンが入っているし、梅干しサワーは、梅の実を砕いたようなエキスが入っていて、どれもそんなに甘くないのが私にとっては飲みやすい。ソフトドリンクもあるが、コーラはペットボトルのまま出てきたりする。存在自体が蒲田の街を物語る、昔ながらの大衆酒場である。（哲坊）

メニュー 生ビール（450円） レモンサワー（350円） グラスワイン（200円） ペプシコーラ（200円） シメサバ（320円） たこキムチ（280円） うなぎ蒲焼（350円） キムチ鍋（380円） じゃがバター（280円） あじフライ（350円） 刺身盛り合わせ（680円） 焼おにぎり（250円） チャーハン（350円） その他多数

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皆様のレポート＆感想
於我	恐怖の拳ダブル！　拙も討ち死にいたしました・・・安さとメニューの豊富さには驚きですな。男臭さ炸裂のこのお店。大好きです。(04.3.29)
テラジ	哲坊さんのコラムを読んで1人で数回行きました。隣の人の話ではこの店は相当昔からあったらしいです。個人的にお気に入りはレバニラと1人鍋。今度は知り合いを集めていこうかと思っています。悔いが1つだけありまして、「拳ダブル」をまだ飲んでないこと。注文は「ウィスキーダブルのロック」ですよね（笑）。次回チャレンジします。 (04.5.30)
うらけん	東京に出張の際には必ず立ち寄ります。なかでも日替わりのサービス品（200円）は絶対にお得だし、鳥皮煮込みも絶品です。蒲田を好きにさせてくれた名店ですよ。（浜松在住）　(05.4.4)
紫音	こちらのお薦めは、サービス２００円です。日によって当たりあり。トビウオのたたきと煮魚がおいしかった。これと、ホッピーがあれば、言うこと無し。ちなみに、仕事帰りに女ひとり利用させてもらってます。常連さんが多いようです。あまり、女性のひとりはお目にかかったことはありませんが・・。実は、○十年前から通ってます。その頃は花もはじらう女子大生でした。いかにも哀愁漂う酒場で、酒好きにはたまらん店です。(05.10.16)
蒲田好き	以前蒲田で仕事をしていたときに何回か行きました。とりあえず安い！！！数人で何も考えずに食べたいもの、飲みたいもの（焼酎のボトルとか）を頼みまくっても一人3000円いかないのがうれしい。味もそんじょそこらの居酒屋よりもGOOD。(06.5.13)
沢田の交差点	厨房のキーさんがGOOD。個人的には１階のカウンターでめっちゃ濃いウーロンハイとレバ刺し、本日のサービスで帰宅です。十分酔えます。女性の場合はウーロンハイとウーロン茶を頼んでウーロンハイを割りながら飲んでも酔えます。とにかくお得感が満載な居酒屋でした。レジの男性もGOOD。(07.1.7)
CAO	高校のクラス会といえぱここでした。もう２５年も前のことです。その母校も、廃校で今はありません。この店は、蒲田を舞台にした映画「やわらかい生活」にも登場していました。07.5.2
ぱいけあ	今を去ること30数年前、高校1年の時クラブの打ち上げで初めて行きました（もう時効ですよね^^;）。社会人になってからは行ってないですが、まだがんばってるんですね。だいぶ変わったんだろうけどまた行ってみたいな。07.5.2
蒲田に住んで30年	先月静岡のお得意さんと、忘年会をやりました。2人で６千程、飲みなおかつ、食べました。鍋をつつき楽しいひと時を過ごしました、また近々行くつもりです。早く飲みたいよー。ウイスキーのダブルロックはまだ飲んでませーん！！08.2.17
良し。行くぞう！	東京に生まれ、酒に守られ育ってウン十年。しかし不勉強でした。このお店全く知らなかったです。早速行かさせていただきます。貴重な情報有難う御座いました！08.7.19
鳥万に通って25年！	このお店、２０数年通っています。今は、トリスのハイボールが好きで飲んでますが、３杯飲むと酔います！あとは、料理を３品頼んで、高い時で1800円くらいかな？だから、とにかく安い！また、中国のお嬢さんも、たま〜に美人さんがいますね。今の子も一人なかなかです。（笑） 09.2.16
蒲田に住んで30年	又飲んじゃいました〜今日は予定より早めに仕事が終わり５時から飲んじゃった！トリスのハイボールも２杯飲み絶好チョー！ 10.10.1

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