2000年4月20日
国立代々木競技場第二体育館
MILLENNIUM
COMBINE
観 戦 報 告
書
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KOKトーナメントの熱狂から2ヶ月、
リングスは今シリーズより、ルールをKOKルールに統一した。
そして、新たに設立したリングス・USA、リングス・ブラジルより
それぞれジェレミー・ホーン、 レナート・ババル といった
強豪選手を招聘。格闘技界統一に向け、新たな戦略に乗り出した。
今回の審議委員は、クリス・ドールマン/藤原敏男/西良典の3名。
レフェリーは、KOKに引き続き、和田良覚/平直行/塩崎啓二の3名がつとめた。
オーフレイム弟、強し!
第1試合
×
滑川康仁
(リングス・ジャパン)
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VS
1R 45秒
腕ひしぎ
十字固め
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○
アリスター・オーフレイム(リングス・オランダ)
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日本での試合は昨年9月の後楽園ホール以来の滑川。
(海外大会にはその間、3回出場している)
ゴング前、観客の「滑川リラックス!」の声に
手を挙げて応える余裕も見せていたが・・・。
タックルに行くが、首をとられ、それを抜いたものの、
ガードポジションにとらえられる。
アリスターは、長いリーチを活かして滑川の腕を下から極めに行く。
滑川、あえなくタップ。
いきなりの秒殺。
前回は打撃の勝負でコーチキン・ユーリーに判定負けを喫したが、
今回はグラウンド技術をまざまざとアピールしたアリスター。
何せ、身長195cm。
あのオーフレイムの弟。強くないわけがない。
汚名返上
第2試合
○
坂田 亘
(リングス・ジャパン)
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VS
1R 7分23秒
足首固め
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×
ブランドン・リー・ヒンクル
(アメリカ/ハンマーハウス)
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KOKでは、まったく良いところなくヘンゾに敗退した坂田。
ブルーの新コスチュームで登場し、汚名返上とばかり、
目の前の相手、ヒンクルと激しいグラウンド合戦を展開する。
なかなかの好勝負。
坂田は、下から積極的に腕十字にトライ。
ヒンクルはパワーで持ち上げ、なかなか極めさせない。
お互い、何度も極められそうになりながら、
最後は坂田が下から見事なTKシザースで脱出、
そのまま足首をとった。
坂田、まだまだ健在ぶりをアピール。
正直、こんなに鮮やかに勝つと予想していた人は
多くなかったに違いない。
期待が大きすぎた・・・?
第3試合
×
ボリス・ジュリアスコフ
(リングス・ブルガリア)
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VS
1R 8分
K.O
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○
ボビー・ホフマン
(アメリカ/ミレティッチ・マーシャルアーツセンター)
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KOKで、ティム・ラジックを絞め落とし、田村をさんざんに苦しめた
ジュリアスコフには、大きな声援が飛んだ。
対するホフマンは、前回、ザザを瞬殺KOした喧嘩屋。
試合の方は、ホフマンがジュリアスコフのタックルをことごとく切り、
打撃をゴツゴツと当て、主導権を握る。
打つ手のなくなったジュリアスコフは、無謀にもスタンドで
勝負に行くが、案の定フックの連打を浴びて沈んだ。
高水準…
第4試合
○
レナート・ババル
(リングス・ブラジル)
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VS
1R4分49秒
腕ひしぎ
十字固め
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×
トラヴィス・フルトン
(アメリカ/シーダー・バリー・プロフィットネス)
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「リングス・ブラジル」とコールされるやいなや、大きな歓声が
沸き起こる。何しろ、KOKの準優勝者であり、
田村とも好勝負を演じたババルである。
リングスファンは彼をすっかり「仲間」として迎え入れていた。
相手は、ワールド・エクストリーム・ファイティングで
何度も優勝経験のある強豪・フルトン。
実力的には、欠場した金原の代役としても全く遜色のない選手である。
しかし、ババルはフルトンをほとんど問題にしなかったといってよい。
簡単にテイクダウンをとり、終始優位なポジションをキープ。
足を狙ってきたフルトンを巧みに切り返し、腕十字。
はっきり言って、ババルのグラウンドテクニックは
安心して見ていられた。
コピィロフ劇場、再び…?
第5試合
×
アンドレイ・コピィロフ
(リングス・ロシア)
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VS
時間切れ
判定3-0
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○
ヒカルド・アローナ
(ブラジル/カーウソン柔術アカデミー)
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コピィロフの秒殺劇をもう一度見られるのではないかと
楽しみにしていたファンは多いはず。私もその1人(笑)。
入場テーマが流れるや、会場は完全に「コピィロフ劇場」と化す。
正直、12月のブランコ戦が真実なのか、
前回のノゲイラ戦が真実なのかどうか、
それを見定める意味で、この試合は興味深い。
先月、アブダビ・コンバット98kg以下級で優勝を飾ったアローナは、
コピィロフへの声援の多さにかなり戸惑った様子(笑)。
しかし、このアローナは打撃、寝技ともに実にレベルが高い。
スタンドでは、ローキックを確実にコピィロフの腿に
当てていき、タックルをつぶすと、グラウンドでは常にバックをとる。
バックをとられると何もできず亀状態のコピィロフに、
観客の間には、徐々に「あきらめムード」が漂いはじめる(笑)。
(『相手強すぎるよ〜』の野次が大ウケ。)
2ラウンドに入っても、この展開はほとんど変わらず。
ただ、最後までコピィロフは首をとらせず、また、
要所でアームロックを切り返すなど、戦意は失っていないようだった。
ただ結局、大きな展開はないまま、試合終了のゴング。
判定はジャッジの藤原、西
両名が20-19と僅差。
ただ、クリス・ドールマンはコピィロフのファイトに
業を煮やしたか(笑)20-10の大差。
(これには会場大爆笑)
いったいどういう採点の仕方をしているのか謎だが、
まあ、この結果そのものは仕方なしか。
こうなると、コピィロフに16秒で敗れたカステロ・ブランコは
不慮の事故にでも遭ったのだろうと思っているに違いない…(?)
事実上の他流試合で・・・
第6試合 ランキング戦
×
山本宜久
(リングス・ジャパン)
ランキング5位
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VS
2R 2分50秒
肩固め
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○
ジェレミー・ホーン
(リングスUSA)
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待望のリングス・USA初参戦選手は、金原と激闘を繰り広げた
ジェレミー・ホーン。
山本は復帰戦で、いきなりものすごい強敵を迎えることになった。
しかし、これまで絶対に負けられない試合を幾度となく
落としている山本。真価を問われる試合である。
グラウンドでの勝負は、山本がやや優勢。
しかし、有利なポジションをとりながら、攻めきれない。
復帰まもないためか、練習不足のためか、動きにキレがない。
立ち技でも、何発かいいパンチをヒットさせるが、
ホーンもタフである。必死に食らいついてくる。
両者互角の攻防を展開し、第1ラウンド終了。
しかし、好試合というよりは、山本が決め手を欠く
はがゆい試合展開に、観客のフラストレーションがたまる。
2ラウンド開始直後、金原のアドバイスからか、
山本はローキックを連打。
ホーンは意外にも、ローキックの防御が甘く、
後ろに下がる場面も。
しかし、あせって繰り出したパンチの連打が
思うように当たらず、逆にホーンのパンチが的確に山本の
顔面をとらえる。
ほぼダウンに近い倒れ方をした山本の上にかぶさった
ホーンが、なおも押さえつけてゆく。
このまま時間切れか…?と思われたが
抵抗できなくなった山本がタップ。
もう長いこと、山本らしい試合を見ていない気がする。
昨年の田村との激闘以来であろうか。
精彩のなさは、怪我のせいだけなのだろうか。
それを言うなら、田村は連戦にもかかわらず、長期欠場はない。
その時点で資質的に、山本は田村に大きな差をつけられていると思うし、
直接対決で田村を破りでもしないかぎり、追い抜くことはできないと思う。
ホーンは一応、「リングスUSA所属」ではあるが、まだまだ「外敵」という
イメージがあった。その外敵に敗北し、山本はリングスの進化から
またもや取り残された観がある。
…というのは、少々厳しい見方であろうか。
田村、轟沈。
第7試合 <リングス無差別級王座タイトルマッチ>
×
田村潔司
(リングス・ジャパン)
チャンピオン
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VS
1R 13分13秒
K.O
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○
ギルバート・アイブル
(リングス・オランダ)
挑戦者・ランキング4位
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一体、だれがこの男を止めるのか…。
オーフレイムの鎖骨を割り、高阪を三たび戦闘不能に追い込み、
KOKでもタリエルを下し、世界の強豪相手に大暴れしたアイブル。
まさに黒旋風(こくせんぷう)。
先の、ヘンダーソン戦でもタップを奪われたわけでなく、
十分にスタミナを残しての判定負け。本人は負けていないと
思っているに違いない。
田村は、あきらかに余裕がなくなっていった。
試合開始まもなく、アイブルのパンチを浴びる。
タックルも決まらない。
しかし、とにかく倒すしかない。寝かせるしか、活路を見出せない。
が、上になってもアイブルの驚異的な筋力が
田村の押さえ込みを封じ込めてしまう。
膠着状態になるか、ロープ際にもっていかれ、
ブレイクになってしまう。
ブレイク直後のスタンドではその度にパンチや膝を浴びる。
かろうじてタックルで倒しても、上になっても、
ダメージが大きく、いつものように極めることができない。
ブレイクを命じられ、またもやスタンド状態に。
立ち上がるのもつらそうな田村。
徐々に田村の動きが鈍り、
タックルも簡単に切られるようになってゆく…。
打つ手なし…。
轟沈。
女性ファンの悲鳴が上がるなか、
パンチの連打の前に、ついに田村は崩れ落ちた。
新チャンピオンの誕生である。
「田村は、ベリーストロング。
僕のパンチをあれだけ浴びていたのに…。
頭が固くできているんじゃないか?」
リング上では、ベルトを巻いた新王者が、愛嬌たっぷりに
インタビューに答えていた。
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10月9日 代々木競技場第二体育館
トーナメント2000「King
of Kings」
Aブロック第1、第2試合 観戦記
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同じ日に、東京ドームでは
新日の興業があったにもかかわらず、会場は久々の超満員。
立ち見客はおろか、当日券が買えずに、入れなかった人もいたそうだ。
総合格闘技と、プロレスとの棲み分けがなされている証か。
第1試合 KOKトーナメント1回戦 5分2R(以下同)
×
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ボリソフ・ミハイル
(ロシアサンボ連盟)
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ホベルト・トラヴェン
(ブラジル/柔術)
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○
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サンボ界・トップクラスの実力者が、ついにリングス参戦!
…とのことで前評判高かったミハイルだが、ろくに寝技に持ち込めないまま、
倒れてもトラヴェンに良いポジションを奪われ、よくわからないうちに2R終了。
トラヴェンの速くはないが重そうなローキックが何発かヒット。
ミハイルの腿は真っ赤に。見せ場はそれだけ…。
2人ともアグレッシブさが感じられず、退屈な「前座」試合であった。
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第2試合
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○
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デイヴ・メネー
(アメリカ/ミレティッチ・マーシャルアーツ・センター)
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坂
田 亘
(リングス・ジャパン)
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×
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気合い充分で坂田入場。
対するは、昨年、田村に打撃で打ち負け、初戦敗退したメネー。
坂田は、積極的に打撃を繰り出す。ミドルキックはヒットするが、
踵落としは当然空振りして倒される(笑)。
グラウンドでは、常にメネーに上をとられ続け、判定負け。
坂田はコンディションが悪かったように見えたが…。
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第3試合
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×
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バラチンスキー・
スレン
(ロシアサンボ連盟)
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ヴァレンタイン・
オーフレイム
(リングス・オランダ)
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○
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サンボ連盟太鼓判の実力者登場!
そのスレン、いきなりダッシュし、オーフレイムと打撃合戦。
打撃に自信があるのか、軽快な動きでパンチを繰り出す。
客はサンボの技を観たいのだが(笑)
途中、一度だけタックル気味にオーフレイムの足をつかむが、
オーフレイムは倒されまいと、ロープをつかんで片手でパンチを打ち下ろす。
ここで当然、オーフレイムにイエローカード。
そしてスレンは右膝を負傷したのか、ドクターチェック。
再開後、イエローカードの減点も何のその、オーフレイムが
容赦なくローキックを放ち、スリップ気味にスレン倒れて終わり。
実戦慣れしていないし、
ちょっと不運ではあったが、サンボ勢期待外れ…
不甲斐無さすぎる!
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第4試合
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×
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ビターゼ・タリエル
(リングス・グルジア)
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レナート・ババル
(リングス・ブラジル)
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○
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グローブ着用版タリエル、またも初戦敗退…。
発表体重151kgと、ますます巨大化したタリエル。
グローブ着用での正拳突きは、いつになったらヒットするのだろうか。
前回のアイブル戦同様、強気に出たババルに裏拳、
顔面パンチで追い込まれ、間合いを詰められる。
早くも倒されるタリエル。会場、溜息に包まれる(笑)。
それでもタリエルは、両腕でババルの首を押さえ、ネックロックにとらえて粘る。
ババル、苦しそう。会場大歓声。あわや、という所まで追い込むが、
ババルは冷静に脱出。タリエルの腕のクラッチを切り、あっさり伸ばす。
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第5試合
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○
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ランディ・
クートゥアー
(アメリカ)
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ジェレミー・ホーン
(リングスUSA)
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×
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もっと観ていたい、ハイレベルな攻防戦
実力者同士の対戦。2人の持ち味がよく発揮された試合だった。
クートゥアーは、片手で相手の頭をつかんだまま、
もう片方の手でショート・アッパーを繰り出す戦法で、
ホーンにダメージを与えていく。
ホーンも負けずに打撃を返し、時折、
飛びつき腕十字やビクトル膝十字をしかけるが、惜しくも極まらず。
判定となり、グラウンドで主導権を握ったホーンが1-0とリードするも、
ルール改正により、延長戦に突入。
やはりダメージを負っていたのはホーンで、延長戦ではフラフラ。
それでも、よく戦った。ドローでも良いとすら思う。
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第6試合
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○
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柳
澤 龍 志
(チーム・ドラゴン)
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ボリス・
ジュリアスコフ
(リングス・ブルガリア)
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×
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柳澤、初の他流試合に辛くも勝利。
パンクラスを離脱し、KOKのリングに上がった柳澤の相手は、
このところ、着実に力をつけているジュリアスコフ。
柳澤のセコンドにはキックの前田憲作。
そして、試合はジュリアスコフのペースで進む。
柳澤、何度もスリーパーを極められかけるが、なんとかしのぎ続ける。
ジュリアスコフは、ひたすらバックに回り、スリーパー狙い。完全にジュリのペース。
柳澤、必死の思いで足を取り、膝十字から足首固めに移行して逆転勝ち。
心無いファンからは野次も飛んだが、プレッシャーをはね除けての勝利は見事。
勝利の後、フランク・シャムロックがリングに上がり、柳澤と抱擁。
もしや、Bブロックに出るのか?出てほしい。
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第7試合
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○
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アントニオ・
ロドリゴ・ノゲイラ
(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
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ラバザノフ・
アフメッド
(リングス・ロシア)
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×
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やっぱり駄目だったラバザノフ…。
ハンの一番弟子といわれ、期待されたものの、
前回はとくに見せ場もないまま、初戦敗退したアフメッド。
今年はもう少し見せてくれると思ったが、
最初の寝技の攻防であっさりと腕を取られる。
1年間、何をしてきたのだろうか。
まあ、相手が優勝候補の筆頭・ノゲイラでは分が悪すぎるか。
もっと試合をさせてやりたい気はする。
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第8試合
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×
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グロム・ザザ
(リングス・グルジア)
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田
村 潔 司
(リングス・ジャパン)
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○
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田村、イエローカードに救われる…。
田村と対戦予定だったコーラーが怪我で欠場し、ザザが代打出場。
しかし、田村にとって決して楽になったわけではない。
ザザとて、かつてはモラエスにVTルールで勝ったほどの実力者である。
案の定、田村は打撃狙いに行くがザザの突進力に押され、すぐに組み付かれる。
ザザは、得意のスタンディング・アキレス腱固め。これはもちろん極まらない。
ザザがやや押しているように見えたが、
要所では田村が落ち着いて切り返していた。
結局、ザザがグラウンドで田村の顔面にパンチを入れてしまい、イエローカード。
この減点が判定に影響し、田村の勝ち。
しかし、今日の田村は動きが悪かった。コンディションの問題だろうか。
ともかく、2回戦のノゲイラ戦に不安を感じさせる内容であった。
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15分の休憩を挟み、2回戦開始!
第9試合 KOKトーナメント2回戦 5分2R(以下同)
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×
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ホベルト・トラヴェン
(ブラジル/柔術)
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デイブ・メネー
(アメリカ/ミレティッチ・マーシャルアーツ・センター)
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○
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今大会、唯一眠気を催した凡戦。
下がりながらローキックを打つか、のろいタックルを仕掛けつぶされるしか
手のないトラヴェン。疲れているのか、消極的なのか。
メネーも動きが悪い。決め手を欠いたままドロー。延長戦に。
休憩中、混んでいて便所に行けなかったせいもあり、
ここぞとばかりに便所へ(笑)。
戻ってくると、消極的な両者にイエローカード。これは良い。
この後、体格的に劣るメネーがパンチ、ミドルを積極的に放ち、ポイントを稼いだ。
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第10試合
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○
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ヴァレンタイン・
オーフレイム
(リングス・オランダ)
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レナート・ババル
(リングス・ブラジル)
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×
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オーフレイム完全復活、ババルに一本勝ち!
オーフレイムは、昨年は無念の一回戦負け。
それは相手がノゲイラという強豪といった不運もあった。
今年は、是非真価を発揮してほしいと思っていた。
序盤から両者、ヤル気まんまんの打ち合い。
タックルで倒し、そのまま腕十字にいくババル。もしや、これで終わりか…?
だが、オーフレイムは必死に脱出、ガードポジションに。場内大歓声!
ここで、ババルのパンチがオーフレイムの顔面に入ってしまう。
オーフレイム、しばし大の字。立上がるも、かなりのダメージが見られ、
アクシデントではあるがババルにイエローカードが出される。
再開後、ババルはやや気落ちしたか、テイクダウンを許す。
グラウンドの攻防の後、オーフレイムが、アキレス腱狙い。耐えるババル。
しかしまだ余裕のあるババルは、パンチで活路を見い出そうとするが、
オーフレイムは足首固めにチェンジ。ババル、たまらずタップ!
オーフレイム大金星、のようにいわれるが、
私はもともと強い選手だと思っていたので、あり得ない話ではなかったと思う。
ババルは、リングスマットで初の一本負け。
ショックとダメージでしばらく動けなかったようだ。
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第11試合
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×
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柳
澤 龍 志
(チーム・ドラゴン)
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ランディー・
クートゥアー
(アメリカ)
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○
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クートゥアー、疲れも見せず完勝。
とにかく、クートゥアーの強さが目立った試合。
序盤から簡単に柳澤を倒し、グラウンドに。
極まりはしないものの、関節技で積極的に攻める。
柳澤は、しのぐだけで精一杯の様子。
2ラウンドに入り、明らかにバテバテの柳澤。
得意なはずの打撃でも押され始める。
最後の方は、クートゥアーが余裕を見せ、
自ら打撃戦を挑み、何発かパンチをヒットさせる。
クートゥアー、強し。とても1回戦で3Rフルに戦ったとは思えないほどの動き。
しかし、ジャッジの太田は20-20のドロー判定。
一体どこを観てる…?
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第12試合
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○
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アントニオ・
ロドリゴ・ノゲイラ
(ブラジル)
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|
田
村 潔 司
(リングス・ジャパン)
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×
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田村、無念の予選敗退…。
ノゲイラは、1回戦を秒殺で飾っており、スタミナも充分。
田村は、ザザと10分戦い抜いた末、薄氷の勝利。
身長差11cm、体重差15kg。
不利は明らかだったが、ファンはそれでも田村の勝利を信じて声援を飛ばす。
ザザと同じく、突進するノゲイラに、思うように打撃が入らない。
グラウンドで常に上を取られ、腕十字、アームロックを仕掛けられる。
もはや極まったかと思われた場面もあったが、なんとか脱出する田村。
それだけが見せ場であったか。
2Rに入り、田村は再び打撃で攻めるが、ほどなく倒される。
一度はアームロックを脱出したものの、
油断したか、三角絞め気味に極められ、タップ。
田村、ショックのせいか立ち上がれず。
ノゲイラは大喜びで、田村を持ち上げて健闘をたたえた。
しかし、言い訳のできぬ完敗に、
田村ほかセコンドの日本人選手らの顔は暗かった。
無差別級での、田村の限界を見た気がした。
とくに、このルールになってからの田村の勝ち星は、
昨年のジュリアスコフ戦以来、すべて判定である…。
見ていて歯がゆい気がするし、本人も不満であろう。
もう一度、旧リングスルールでの華麗な動き、
鮮やかな腕十字を見たいと思うのは、私だけであろうか…。
勝ち残った
デイブ・メネー、ヴァレンタイン・オーフレイム、
ランディー・クートゥアー、アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラが決勝進出。
日本人選手は全滅。
リングスの選手はオーフレイムのみという、昨年と似たような結果となった。
12月の大阪大会(Bブロック)では、日本選手(高阪、山本、金原)の
奮起に期待したい。
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