西暦200年 河北の戦場

曹操軍

 

袁紹軍

徐晃

VS

文醜

これまでの戦績
3戦 2勝1敗2KO 1引分

 

これまでの戦績
3戦 2勝0敗 1引き分け


 

戦友・顔良を失い、怒りに燃える河北の猛将・文醜は、
曹操軍の奥深くに入り込んでしまっていた。
これを討てば、顔良を討った功にも匹敵する。
張遼や徐晃といった曹操軍の将兵は、こぞって
文醜に戦いを挑むべく、馬を走らせた。

しかし、先を争って突っ走った
張遼が、文醜の矢に当たって落馬。
すぐさま張遼の首を取りにきた文醜だが、
そこに徐晃が喚きかかった。

徐晃は、先の一騎討ちで顔良に敗れており、
手柄を関羽に譲っている。
その汚名を挽回すべく、日夜、武術の修練に励んでいた。

今日は、実力的には顔良よりも上とされる文醜を相手に
数十合の火花を交えた。
しかし、流石に文醜も河北随一の強者である。
徐晃はつかれ果てた。文醜には、わずかに余裕が
あるように見えたが、周囲に曹操軍の兵が
群がり寄って来ていたため、槍先に乱れを生じた。

一隊の軍勢が彼等の前を横切り、それを潮に、
文醜は徐晃を打ち捨てて、馬を返した。

よって、この勝負引き分け

 


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『汚名返上』(作・新荘 剛史殿)

「危ない!!」
漢の司空曹操は、馬を射抜かれドウと倒れる張遼を見てそう叫んだ。
その顔は蒼白く、表情は強張っている。
必死に態勢を立て直そうとする張遼の目の前には
鉾を片手に悠然と駒を近づけてくる
一人の大男がいた。

顔には不敵な笑みがこぼれている。

張遼は馬から投げ出されたためか、まだ体を満足に動かす事が出来ずにいた。
「く…不覚…」
張遼は、思うように動かない体を心の中で呪いながらも
殺気のこもった目で馬上の大男を睨みつけた。
それは今の張遼に出来る唯一の抵抗でもあった。
「俺はこんなところで死ぬのか…」
張遼は、今まさに振り下ろされんとする鉾の切先を見ながら
ふとそんな事を考えていた。

「若造!この文醜の手にかかって死ねるなんて光栄だぞ!!」
馬上の大男はそう言うと張遼目掛けて鉾を振り下ろした。
鉾の切先がまさに張遼を捕えんとしたそのとき、
一本の矢が文醜の頬を掠めていったのである。

「誰だ!!」
矢の飛んできた方向に文醜は振りかえると鉾を威嚇するように一旋させた。
そこには漆黒の鎧に身を包んだ男が弓を構えていた。

「徐晃!!」
張遼と曹操は同時に同じ名を呼んでいた。
徐晃と呼ばれた黒衣の男は弓を投げ捨てると得物の大斧を構えなおした。
徐晃は、この前顔良に一騎討ちで負けた後、
その失地回復の場をずっと求めていたのである。
文醜は新たな獲物が現れたと思ったのか、うれしいのか
厭らしそうな笑みを浮かべると
「曹軍には若造しか居らんのか…まあよい。かかってこい!!」
そう吼えると馬を徐晃へと走らせた。

徐晃は近くにいる僚友・史渙に目で「張遼を頼む」と
合図すると文醜のほうへと駒を走らせる。

徐晃は大斧を大上段に構えると文醜に打ちかかっていった。
文醜はその一撃を鉾の柄で受け止めると
「こいつも強いぞ!!」と内心舌を巻いた。

しかし先の戦いで討ち取られた顔良が「力の顔良」なら
自分は「技の文醜」である。
こういった力技で来る若い武将をあしらうのは彼の得意とするものである。
文醜は徐晃の猛攻を必死で鉾で防戦する。
文醜は鉾をうち捨てると馬を自陣のほうへと突如走らせ始めた。
それを見た張遼は自分が文醜を深追いして馬を射られたのを思い出し
「徐晃!!気を付けろ!!!」
そう叫ばんと徐晃のほうを見た。

しかし徐晃は文醜を追わずに悠然と大斧を構えていた。
そして文醜に向かって
「同じ手に二度引っかかるか!!」
そう叫ぶと張遼のほうを見た。
史渙に助けられた張遼が大丈夫だというように手を振るのが見えた。

文醜は再度徐晃へと打ちかかろうとしたとき
曹操は参謀の荀攸の策を実行させるべく、関羽ヘと合図を送った。
合図を得、曹操に降っていた猛将・関羽は
一軍を率いて崖の上から文醜の軍へとなだれ込んだ。

それを見た文醜は自分の死を身近に感じていた。

作・新荘 剛史 殿

 

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