「やまがたのさかぐら」と読むらしい。初めて行ったのは数年前。私が新富町に勤めていた頃、会社帰りにひとりでフラリと入ったのがきっかけである。およそ銀座とは思えぬほどの大衆酒場的雰囲気にすっかり魅了され、以来「隠れ家」として頻繁に通うようになった。
松屋通りを有楽町駅方向に折れ、喫茶Subway横の細〜い路地に目印の小さな置き看板(注意しないと見落とす)。路地裏の入口から地下に降りると、そこにはもう、表のネオン街とは全く別の世界が広がっている。「ろんごもうしを読んではみたが、酒を飲むなと書いてない」という看板の文句も実にいい味を出している。
平日は会社帰りのサラリーマンやOLでごったがえしている。7〜8時ごろがピークか。トイレは男女共用で1ヶ所しかないため、中で男女が鉢合わせは当たり前。それでも女性客は結構いる。味と雰囲気の良さが人気の秘訣であろう。また、3時から営業しているせいか、10時半頃にはラストオーダーとなるので注意。
店名のとおり、山形の郷土料理が名物。中でもおすすめなのが鳥豆腐(580円)と、玉こんにゃく(480円)。刺身や天ぷらも旨い。冬場は「山形名物芋煮会」(1300円)などもおすすめ。よく似た雰囲気の蒲田鳥万よりも、値段は高いが味は上だ。これらの人気メニューは売り切れることも多いので、早めの時間に行くことをすすめる。
それと、一見お手頃価格ではあるが、銀座という場所のためか、会計時は結構な値段になっていることが多い(笑)。2〜3人でしこたま飲み食いすると、1人5000〜6000円ぐらい行くのを覚悟しておこう。(2004.4
哲坊)
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