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『信長の野望』や『三國志』に隠れて目立たないが、コーエーは幕末をテーマにしたゲームを2作世に出している。まず、開発に4年もかけた野心作として1988(昭和63)年に発売されたのが、この『維新の嵐』である。当初はPC-9801のゲームだったが、のちにマップや人物数を少し削り、システムを簡略したものがPC-8801やファミコンに移植された。 幕末期の主な人物(坂本竜馬、西郷隆盛、松平容保など12人)の中から任意に選び、混乱の日本を尊王、公議、佐幕いずれかの思想で統一するのが目的。体力が減ったら飯屋や宿屋、あるいは遊郭に寄って回復させ、博打で金を稼ぎ、学問所や剣道場に通って能力を高めるというゲームの流れは、ロールプレイングの要素をとり入れた「リコエイションゲーム」という同社独自ジャンルの先駆けであった。 『信長の野望』や『三國志』は、戦争で領土を拡大し、地図を自分のカラーで染めてゆく…という歴史戦略ゲームの「王道」だったのに対し、『維新の嵐』は一風変わったシステムが注目を集めた。というのも、まずゲームの目的が「日本を"思想統一"すること」なのである。「思想統一、尊王、公議、佐幕……?」そのハードルの高そうな単語を聞いただけで尻込みする人が多く、またPC-98などという高価なパソコンを持っている人は少なかったため、大ヒットには至らなかった。かくいう私も、数年経ってファミコンやMSXに移植されてから、ようやくプレイする機会を得たのである。 さて、このゲームの登場人物は、例えば高杉晋作なら「尊王攘夷」といった具合に、それぞれの思想を持っている。プレイ中、思想の違う人物に出会ったら「説得」コマンドを使って言い負かし、自分と同じ思想に洗脳するのが第一の目的。初めはあまり身分の高い人物とは会えないから、身近な人から説得し同志を作って行く。そして、家老や藩主を説得できれば、その藩の思想をも変えてしまうことができる。 この「説得」のシステムが実にユニークで、なんとカードゲーム方式。交互に「問い」「反論」などのカードを出し合って、時間内に相手のゲージ(気力のようなもの)をゼロにするか優勢に進めれば勝ちになる。また「連打」カードが出ると、そのターンはCPUとのボタン連打勝負となる。パソコン版ではそれがスペースキーだったので、キーボードを叩き壊したユーザーも多かったとか…(?)。
今年話題の「新選組」メンバーも、5人だけだが登場する。プレイヤーが選択できるのは近藤勇のみだが、スタート地点の新選組・屯所周りをうろついている土方、沖田、永倉は早々と同志にできる。邪魔者の始末は彼らに任せ、自分はのんびり全国遊説、という粋な遊び方も可能。もちろん近藤らは佐幕派だが、メンバーの中で芹沢鴨だけが尊王派。そのままにしておくと、町ですれ違ったときに「天誅じゃ!」と叫んで斬りかかって来たりする。 そう、このゲームは「戦闘」も行なうことができるのだ。確かに新選組が「説得」だけで日本を統一するというのも変な話だから、思うさま辻斬りに精を出すことができるというわけ。かと思えば、桂小五郎などは「命に代えても!」と、わざわざ説得しに乗りこんで来ることも。また、「説得」に負け続けて、自分の思想が変わってしまうとゲームオーバーだから、武力だけでなく、学力も鍛える必要がある。 面白かったのは大老の井伊直弼や大名格の松平容保といった人物までもが、日本全国を一人で気ままに歩き回っている点。いい意味で「バカゲー」テイスト溢れる、愛すべきゲームだった。現在は、WINDOWSやPSでリメイク版が出ている。とくにBGMは傑作で、幕末の世界にどっぷり浸れる。(2004.6.7 哲坊) |
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koch 殿 |
SSでプレイしましたよ。 「おーい竜馬」を読んで ドラマの「竜馬におまかせ」(これも三谷さん)を見て影響受けたから坂本竜馬でプレイしたら、いきなりオープニングで会話していた「武市半平太」に説得されたり。 岡田以蔵に暗殺されかかったり・・・思想重視で人間関係を考えて欲しかった。京に行くと新撰組に狙われて大変だったことをよく覚えてます。自分も芹沢鴨を近藤で返り討ちにしたことあります。幕末志士伝は、遠慮します(笑)。幕末で好きなのは、べらんめぇー口調で話す 勝海舟(04.6.25) |
年寄りポッパー 殿 |
当時中学生だった小生は、信長や三國志にはそれなりにはまっていたもの、幕末にはあまり関心が無くただ光栄の延長線上だからというなんとも消極的理由で入手しました。何となくの中にも理由はあったわけで、これまでの作品のどれよりもパッケージがリアルで身近に感じたから(笑)。 で、やってみるとこれが難しい。結局やってみたキャラクターがシナリオ1の「西郷隆盛」のみ。今思えばムチャクチャ不利な立場だったんですね。面白くないわけだ。シナリオ1は当然佐幕派が最強だったんですが、佐幕キャラって井伊直弼(当時イメージ悪すぎ)、松平容保(誰?)って位感情移入しづらい奴らだったんで…流石に近藤勇は別格である程度知っている人物でしたが、それでも佐幕という後ろ向きなイメージを嫌って敬遠してました。 結局うちの西郷隆盛はやたらケンカを売ってくる島津久光を袋叩きにしてカツアゲに終始し、塾の種類によって思想に影響が出るのも知らずいつの間にか公武合体になって思想が変わって終わってしまってました…。ちょっとルール自体が不親切でしたね。でも今なら太閤立志伝の応用で充分面白そうなゲームに進化させれそうな気がします。10年早かった…かな?(04.6.25) |
山の狸 殿 |
懐かしい映像を見せていただきありがとうございます。この絵です!この絵、なつかしいです。PC88ユーザーだったんですけどかなりやりこみました。エンディングもマルチエンディングで、軍事力による統一、説得による統一でそれぞれ違うエンディングが用意されてるんですよ。 私は、松平容保で統一や、島津斉彬(だったと思います)で武力倒幕したりしてました。松平容保の武力をあげまくって、手当たり次第、辻斬りをしまくる(西郷隆盛も斬ったはず)辻斬り大名という禁断の遊びもしてました。信長の野望や三国志とは違った遊び方のあるゲームで今でも私の中では信長、三国志、維新の嵐を光栄3大ゲームとして銘記(笑)されてます。予断ですが、このゲームにはまると、日本史の幕末明治あたりが異様に得意分野になります。難問といる問題を難なく解いてました。05.4.28 |
木野誠 殿 |
プレイした機種はPC-9801です。マニュアル見ずにプレイしていたので、最初は何をすればいいの?状態でしたが、やればやるほどはまっていきました。現在は、ウィンドウズでたまに復刻版をプレイしますが、やはり8801版のカードバトルよりも、リターンキーを叩きまくる9801版・ウインドウズ復刻版のほうが面白いと想います。 |
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平成10年にWindows用で発売された、実に10年ぶりの続編。パッケージイラストの少女漫画的、同人誌的な人物絵を見ると、とても同じメーカーのゲームとは思えない(笑)。ただ、内容は立派な歴史ゲームだ。まずプレイヤーが選べるのは、坂本竜馬と土方歳三の2人に絞られ、基本的には史実に沿ったストーリーを体感していくことになる。 例えば土方の場合、普通にプレイしていれば江戸の試衛館時代から始まって、京都での新選組結成、池田屋事件、鳥羽伏見の戦い、五稜郭で戦死するまでをプレイできる。もちろん前作同様、全国に出向いて説得や戦闘もできるが、大まかには史実通り一本道に話が進む。しかし、これがクセモノである。史実に忠実すぎて、前作から受け継がれた「説得」「戦闘」のシステムがほとんど生かされていないのだ。 例えば、全国の藩主を説得しまくって佐幕思想に変えたとしても、「竜馬を●年の●月に斬る」など特定の条件を満たさないと、薩長同盟や大政奉還などのイベントが次々と起こり、あっという間に「尊王開国」に日本地図が塗り替えられ、せっかくの苦労が水の泡になってしまうのである。それと、「戦闘」で重要人物を苦労して斬っても、翌日には何事もなかったかのように城内に座っていたりして、興醒めさせられる。上手に進めて行けば新選組の活躍で薩長を倒し、幕府を勝利に導くことも可能だが、メインの五稜郭エンディングに比べると、イマイチ感動のない終わり方になってしまう。 歴史イベントや登場人物も多いし、新選組隊士になりきって日本各地を歩き回るのは楽しい。全国の名物を食べ歩いたり、温泉に入ったりという楽しみ方もある。もう少し前作の自由度の高さを生かして作り込めば、とんでもなく面白いゲームになったと思うだけに惜しい。でも、やっぱり絵が気に入らんな…(笑)。このシリーズ、続編の話はまったく聞かれないのも残念だ。(2004.6.7 哲坊) |
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天神 殿 |
私は、このゲーム好きです。新撰組好きの私としてはエディットキャラで新撰組隊士の一員となれる仮想世界がたまりませんでした。ただ、説得が後半とても作業チックになってしまうのはちょっとねえ。(同じ人物に同じ話してるのに毎度毎度、初めて耳にすると言われるのは興ざめします。)また、哲坊様のおっしゃる通り、史実に縛られすぎているのは否めませんね。もっとifの部分に力を入れてもらえれば、さらに魅力的なゲームになったと思います。続編でないかなー? ただ人物の性格をむちゃくちゃにするなら、三国無双でも書きましたが、「このゲームはフィクションであり云々」のくだりは絶対入れて欲しいですね。頭の悪い方々が、某少年漫画に登場した、斉藤一を史実通りの人物だと思い込んだりする現象が起きちゃいますからね。(史実の斉藤はあんな戦闘キ○ガイではないしね。)
(04.8.25) |
kotori 殿 |
まあ確かに「自由度」は前作より落ちますし、何と言っても史実で何もなかった頃に「日にち単位」で進んでゆくのがかったるい!でも前作より「上級幕末好き」向けだと思います。龍馬シナリオの分岐は、「もし龍馬が海舟に師事せず、多くの志士と同じような行動をとっていたら・・・」というifです。実際、中岡慎太郎なんかは分岐シナリオのような行動をしていたわけで、詳しい人ならリアルじゃないでしょうか。 比較的時間があるので、「まったり幕末日本紀行」が楽しめて、事件が勃発すると「おっ!いかねば!」と取材に走ったり・・・。「あの頃を肌で感じられる」魅力があります。「維新の嵐88版」は「身分差」の影響が大きすぎて、同士が大名ばっかりになっちゃうのが大いに不満でしたが、「志士伝」は好きなように同志が作れるのもよろしい。 土方シナリオは「新撰組」の日常が体感できるのがいい。新撰組といえども、年中「池田屋」みたいなことをしてたわけではないので、「新撰組体験入団」みたいな雰囲気が楽しめます。さすが土方は忙しいので、やりくりが大変ですが、実際隊士は多忙だったのも史実。 双方とも「雰囲気のリアルさ」が好きですね。まあ、少女マンガ絵のキャラは私もヤなんですが、ゲームとしてはむしろ前作よりよくまとまっている、出来ればプレイできる主人公をもっと増やして欲しかった・・・と思います。07.12.20 |
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