エレベーターで3階まで降り、フロントの脇にある通用口へ。おお、てっきり閉鎖されているのかと思いきや、旧カイタック空港への通路は未だ健在ではないか! 人通りも時々だがあり、跡地で働く人もいるのかもしれない。通行は自由なので、向こう側にも行ってみた(上記写真)。空港ビルの駐車場までは入ったが、なにしろ広いのでさすがに奥の方まで行く気力はない。この通路は距離にして100メートル弱だろうか。幅は狭く、ここがかつて空港との連絡口だったのかと思うと不思議である。もちろんここを使わずに、車やバスで乗り付ける人も多かったのだろうけど。
しかし、私がのっけから何故こんな空港跡地にこだわるのかといえば…もちろん、ここがブルース・リーに関連しているからに他ならない(笑)。拠点の香港とアメリカを何度も往復していたブルース・リーは、取材で追いかけてくるマスコミ向けに、よくこの空港で記者会見を開いていたのである。また、あるいはローマやタイなどの映画ロケや、打ち合わせに行く時にも、度々この空港に足を運んでいたはず。それはもう30年も昔のことだし、数え切れないくらいの人が利用していた場所だから、そんな面影を残すものは何もないのだが…。
でも、もう1つの理由もちゃんとある。この通路、実は日本のアートポートが制作した映画「G.O.D
死亡的遊戯」の中でも撮影に使用されたのである。
映画の前半部分、ブルース・リーに扮するデビッド・リーが、「燃えよドラゴン」の契約のために渡米しようとするシーンがあるが、それに使われたのがまさにこの通路なのだ。プロデューサーとの対話で、「死亡的遊戯」のタイトルの意味を説明する場面だから、印象深い。後で見直してみたが間違いなかった。もちろん、本物のブルース・リーがここを通ったかどうかは分からないが、朝からいきなり感傷にひたってしまった。
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