当日は雨。にもかかわらず、球場には
多くのファンがつめかけた。
当時高校生の私は、学校を早退して友人とともに駆け付けた。
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村田、最後の登板の相手は、すでに優勝を決めていた王者・西武。
森監督は、普段と変わらず、秋山、清原、デストラーデの
黄金クリーンアップを中心に、いつものスタメンで臨んできた。
村田の花道を、ふさわしい面子で送り出すつもりだったのだろうか。
この後、巨人との日本シリーズで4連勝して日本一を勝ち取ったが
90年の西武ライオンズはまさに最強軍団だった。
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小雨のパラつく中、ぐちゃぐちゃのマウンドで
マサカリ投法がうなりをあげる。
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西武の先発は兄やんこと松沼博久。
彼もまた、この日が引退試合で、2回を無失点で投げ終えた。
3回からは日本シリーズへの調整で郭泰源が登板するが…。
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ストレートは最速145キロを記録。
とても引退試合とは思えない全力投球である。(打者は清原)
女房役として知られた捕手の袴田もこの日が引退試合だった。
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試合は、愛甲のタイムリー、ディアズの3ランで
ロッテが有利に展開する。
ベンチには山本功児コーチ、2年目の初芝の姿もある。
消化試合の意味合いが強くなった西武は、
4回あたりからレギュラーに代えて若手を起用しはじめる。
球場全体が、村田の引退試合を演出しているようだった。
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結局、小ぶりの雨が止まずに
グラウンド状態が悪化したため、試合は5回で降雨コールド。
最後の登板を5回ながら5奪三振、完封でしめくくった。
コールドゲームとなる前に、村田はこの回でマウンドを
降りるつもりだったようで、一礼してベンチへひきあげた。
後に、「この回で限界だった」と語っている。
相手チームの選手会長、辻からも花束。
「私の人生の喜びも悲しみも、すべてこのマウンドの上にありました」
試合後の挨拶に、22000の観衆はただ涙、涙であった。
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挨拶のあとはマウンド上で胴揚げ。堀幸一の背中も見える。
「兆治!夢と希望と感動をありがとう」の横断幕。
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1
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2
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3
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4
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5
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計
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西武
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0
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0
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0
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0
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0
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0
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ロッテ
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0
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0
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4
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0
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0×
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4
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※5回降雨コールド。
勝投手
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村田 10勝8敗
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セーブ
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負投手
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郭 9勝4敗
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本塁打
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ディアズ
30号
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盗塁
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安部
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当日つけたスコアブック
(クリックすると、大きく表示します。横800ピクセル)
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