ゲーセン”移植版”のファミスタといえる存在が、このアーケード版「ワースタ」である。家庭用と違ってセパ全12球団でプレイでき、投手や代打の数も多く(6人ずつ)、さすがはアーケード版といった感じ。その他、写真のようにバックスクリーンにスコアだけでなく選手名も表示。試合後のナムコスポーツもパワーアップして、見事な演出がなされていた。その選手名だが、この時期にプロ野球機構側から「肖像権」に関してのクレームがつき、以後実名の使用が自粛されるようになった。
ただ、本作では修正が間に合わなかったのか、巨人の選手名だけがわざとらしく
(
くわた→くわがたという具合に)アレンジされているが、もしかすると、クレームをつけたのは巨人球団だったのかも…。いずれにしても、この事件のせいで感情移入の度合いが激減したのは確かである。
このアーケード版ワースタはサウンドも秀逸で、ノリのいいBGMがゲーセン中にやけに鳴り響いていたのを思い出す。ホームランを打ったときの「ライトバック、ライトバック、入った入った、ホームラーン!」という可愛いボイスをご記憶の方も多いだろう。
CPUの打撃が異様に上手く、試合後半になるとどんな打者でもジャストミートさせてホームランを打つので、とんでもない打撃戦になることも多かった。アーケード版では、以後「89開幕版」「ワースタ90」と制作され、「熱チュープロ野球」が出る2002年ごろまで続いたが、この初代が一番、ゲームらしい味があって好きだった。とくに「90」などは選手データなどが手抜きとしか思えないほど雑で幻滅させられたものだ。
評価…★★★★★★★★★★10
(初代ワースタの評価)
|