街 運命の交差点 (チュンソフト)

サウンドノベル 1998年発売

セガサターン
プレイステーション

評  価…★★★★★★★★★9(PS版)


 

「参りました。今まで放っておいてごめんなさい」

このゲームを数時間プレイして、心底からそう思ったものである。

 

「弟切草」「かまいたちの夜」に続くサウンドノベル第3弾でありながら
最初に発売されのがマニアックなユーザーの多い
セガ・サターンというハードだったのと、
何より画面が「実写」というのに抵抗があったのか
あまり世間に注目されなかったゲーム。
実際、私の周りも、他のサウンドノベルはプレイしたが、
この「街」だけはプレイしていないという人が多かった。
その現象は全国的に起きていたらしく、
このゲームは他のサウンドノベル作品、いやチュンソフトの他のゲームと
比較しても売上本数は芳しくないようである。
私もこのゲームの存在を忘れ去って久しかった。
PSに移植されたと聞いたが、とくに注目することもなく月日が過ぎていった。

で、ようやくプレイしようと思い立ったのが、サターン版の発売から5年、
PS版の発売から4年も経った2003年の夏のことで
今回投稿をいただいた「さくちゃん」とさほど変わりない。
たまたま、暇だった時に久々に立ち寄ったヨドバシカメラで、
廉価版(2800円)で売られているのを見つけ、何気なく手にとった。
安かったし、余っていたポイントを使ってタダで手に入れたのだ。


「さて、ちょっとやってみるか」という程度に電源を入れたら…
いやあ、面白いこと(笑)。
渋谷を舞台に8人の主人公の話を同時に進めるという
「ザッピングシステム」は、最初は「面倒だなあ」と思ったが、
読み進めて行くうちにすぐ要領を得て馴染んでしまう。
「この人がこう動いたために、あの人がこんな目に遭った」
主人公の8人には直接的なつながりはないが、
間接的に互いの運命に影響し合うことになるのだ。
これはまさに現実の世界と同じだ。
自分とは何の関係もない街の通行人でも、
ひとりひとりがそれぞれに「意志」を持って行動している…
そんなことを改めて考えさせられるのである。
こんなゲーム、他にあっただろうか。


はじめこそ、「実写のキャラに感情移入できなかったら、
シルエットモードに変えればいいや」なんて思っていたのだが、
結局シルエットモードなんて、一度も使わなかった。
出演している役者たちが実にいい味を出しているのである。
どちらかといえばあまり一般に名前を知られていない
マイナーな役者ばかりだが、
それがかえって感情移入の度合いを高めているような気がする。
サウンドは繰り返し聞いても飽きないものばかりで、妙に心に残る。
グラフィックも、静止画だけでなく所々にムービーが挿入されて
臨場感を高めている。そんな演出も見事だ。

舞台が渋谷というのもポイント高い。
私も、仕事で渋谷にはよく行くので、登場する場面は
馴染みのあるところばかりだから、なんとなく親しみやすい。
逆に地方の人には馴染みが薄いだろうが、これをプレイすると、
一度は渋谷に行ってみたくなるのではないだろうか。

 

難点も書いておこう。
やっぱりこの手のゲームは、スーパーファミコンのような
自動バックアップシステムが一番いい。
本作はバッドエンドが滅茶苦茶多いのだが、
それを迎えるたび、イチイチ読み込みがあって、
セーブをするか否かを選び、主人公選択画面に戻って
再度読み込みがあってプレイ再開…となるのだが、
この作業のせいで、テンポが損なわれているように思うのだ。

それに、先ほどあげたバッドエンドの多さ。
結局、このゲームの正解の筋道は一本しかない。
そのため、間違った選択肢を選ぶと即バッドエンド、というパターンが
非常に多いのである。それも、かなり理不尽な形のギャグで
ごまかされる場合が多い。たとえば桂馬のシナリオでは、
ひとつ間違えば爆弾が爆発→バッドエンド というのが多いのだが
実は正解を選ぶと、その爆弾は作り物で、犯人のイタズラだったとわかる。
つまり、間違った場合だけが本物の爆弾だったことになるわけで、
正解の道に進むと逆に拍子抜けさせられてしまうのだ。
他にも、美子のシナリオで選択を間違うと、他の7人のシナリオ
すべてに「エイリアン」が出てきて、成す術なく全部バッドエンドになってしまう。

こうした後味の悪さも特徴といえば特徴か。
また、隠しシナリオが2本あるのだが、それを読むためには
すべてのバッドエンドを見なければならない(PS版)というのも不満。
隠しシナリオが登場するのは嬉しいけど、
渋谷を爆発させるバッドエンド(展開もグラフィックも同じ)を
何度も繰り返して見なければならないのは苦痛でしかない。
結局、そうなるとフローチャートと睨めっこして、
エンディングリストを埋めて行くという単純な「作業」でしかなくなってしまうのだ。


ん? この流れ、何かに似ているような…。
そうだ、「かまいたちの夜2」だ。
あれも、結局最後は見たくもないエンディングを見るために
エンディングリストを埋めるという作業をさせられたっけ。
そう考えると、最新作である「かまいたちの夜2」は、
一本道のシナリオといい、
この「街」の悪いところを見事に踏襲していたことになる。
もちろん、シナリオは断然こっちのほうがいいけど。

あと、プレイヤーによっては感情移入できないキャラも
当然いるはずで、8本すべてのシナリオを全部読まなければ
先へ進むことができないから、そうした点で苦痛を覚えることもあるだろう。
私の場合は、「七曜会」のシナリオは序盤どうもあまり興味が湧かなかったし、
美子のシナリオにしても、「あんな勝手なヤローのために
そこまで無理して痩せる必要なんてないだろう」と思ってしまったので
主人公と思いを1つにすることはできなかった。
「早く馬部のシナリオを進めたいのになあ」という具合に退屈感を覚えたりもした。

というわけで、それぞれのシナリオに対して
個別に感想を述べておきたいと思う。(注:ネタバレを含みます)


■オタク刑事走る!(雨宮桂馬)
発売当初、この人がコーヒー牛乳を飲んでいる写真が、よく広告などに使われていたためか、ずっと彼がゲーム全体の主人公だと思っていた(笑)。だから、それだけに感情移入もしやすかった気がする。自称”ゲーマー”の刑事というのは無理な設定だが、ゲーム好きにとってはそれだけ身近な存在にも映る。

先に述べたような理不尽な部分もあるし、犯人が身近なあの人だというのは推理モノにありがちなベタな結末だったが、かなり完成されたシナリオといえるだろう。クイズゲームや、UFOキャッチャーがうまくシナリオに反映されていたのが良かった。走るシーンなどに使われていたBGMも、えらく緊迫感を感じさせる秀作。

■THE WRONG MAN馬 (馬部甚太郎)
「牛尾編」と合わせて、「ザッピングシステム」の醍醐味を見せてくれる秀逸なシナリオ。個人的に好きなチンピラの三次と、ヤクザに成りすました馬部の絡みが実に見事。ウイスキーを飲んで酔っ払い、ヤクザを相手に大暴れしてしまうシーンは爽快だった。

■THE WRONG MAN牛 (牛尾 政美)
始めは怖そうなだけの牛尾というキャラクターの魅力に、ぐいぐいと惹き込まれて行ってしまう。同じホテルの、トイレの壁越しに2人が会話するシーンにニヤニヤ。3日間で終わってしまうのは残念だが、まああれ以上続けるのも無理があると制作側も判断したのだろう。この2本のシナリオは、ひとえに2役を演じる松田優という役者の好演ぶりが光ると思う。

http://www.wildthing.co.jp/wildthing/works/matsuda/machi/machi01.html
松田優(馬部・牛尾役)のつぶやき。本人にとっても、結構印象深い仕事だったようです。

■やせるおもい(細井 美子)
唯一の女性主人公。序盤、ケーキを食べまくり、彼氏に別れると宣言されるシーン。この時点ではかなり「どうでもいい」と思った。正直、感情移入できそうになかったが、読み進めて行くうちに「可愛い」と思ってしまったから不思議だ。女の悩む表情に、男は惹かれるものなのだろうか(笑)。とくに、本を倉庫にしまいに行って、屈伸するシーンあたりの表情が好き。BGMもいい味を出している。

でも、私はそれ以上に友人の薫役の娘が気になった。滅茶苦茶きれいで、彼女が登場するたびに画面に見入ってしまった…(笑)。谷口あゆみというグラビアアイドルらしいが、今はどうしているのだろ。エンディングは、結局また彼氏とくっつくハッピーエンドなので、やっぱりどうでもいい(笑)。

■七曜会(篠田 正志)
このシナリオも、はじめは興味が湧かなかった。ちんぷんかんぷんな台詞ばかりだし、人を脅して1万円貰うなんてアホくさくて…「好きにやってくれ」という感じで見ていた。主人公も、日曜日と水曜日2人の女に翻弄され続けるM的な情けないヤツだったので、イライラした。しかし、ヤクザと関わってくるあたりから、かなりストーリーに厚みが出てきて面白くなってきた。主人公を演じた役者もかなり味のある人だ。ただ、エンディングはへぼい。「なんだ、こりゃ」という腰砕けな結末。

日曜日役の久野真紀子も個人的にかなり好みのタイプ。彼女の登場シーンのBGMが、また神秘的でそそられるのだ。もし私が、七曜会本部で2人きりになったら、絶対コトに及ぶであろう(笑)。

■迷える外人部隊 (高峰 隆士)
ハードボイルドとはまた違うかもしれないが、一人称で描かれた感情にかなり共感させられた。格闘技も好きなので、読んでいて面白かった。渋谷に屯している馬鹿なガキどもを、実際にこうしてやっつけることができたら気持ちいいだろうな。

結果的に、久々に会った友人や元恋人との、せっかくの関係をぶち壊しにしてしまうやるせなさ。ある意味救いのないシナリオでもある。悲しい。悲し過ぎる。最後のほうで、警察署で牛尾と鉢合わせするシーンは、緊張感があって良かった。隠しシナリオの「花火」を読むとひたすら涙。

■シュレディンガーの手 (市川 文靖)
実は、電源を入れて一番はじめにプレイしたのがこれ(笑)。だって、自分に一番近いような境遇に思えたから…。しかし、プレイ開始から5分ほどで睡眠薬を大量に飲んで眠ってしまい、ゲームオーバー。「なんじゃあ、このゲームは!?」と発狂しそうになったが、普通こいつからスタートさせるプレイヤーもいないよな(笑)。物書きの自虐的な心理には共感する部分もあった。でも、大部分の人は、正直このシナリオは読んでいるだけで陰鬱な気持ちになるだろう。エンディングも救いようがないし…。

■で・き・ちゃっ・た (飛沢 陽平)
こいつも、最初のうちは実にイライラした。2股、3股はいいとして、イチイチ言い訳を考えるばかりの軟弱男。こんな男が何故モテるのか分からない。でも、赤ん坊をあやしたり、デート中に別の女と出会ってしまい、それを切り抜けて行く様が面白くて、笑ってしまった。とくに、夜通し赤ん坊の面倒を見るところなどはBGMの効果も手伝って泣けてしまった。エンディングは「それでいいのか?」という感じではあったな。まあ、男の私としては楽しかったが…。

 

……まあ、こんな具合に本当に笑いあり、涙ありの作品である。先に挙げたような欠点もあるが、それを補って余りある「余韻」を与えてくれるゲームではないかと思う。驚かされるのは、「ファミ通」のベストゲームの上位に、未だにこれがランクインしていること。他のどうでもいい新しいゲームに混じって、これが入っている事実を見ると、今の少年ゲーマーたちも、少しはゲームを見る眼を持っているということがわかり、ちょっとだけ安心させられる。

続編の要望も多いらしいが、かなりの予算と時間がかかるらしく、なかなか発売するという話は聞かない。私もこのゲームに関しては「にわかファン」ではあるけど、是非とも期待したいところである。(03.12.4 哲坊)

http://www.chunsoft.co.jp/game/machi/ 公式サイト(役者のインタビューもあり)



ゲームファンが語る! 「街」

さくちゃん

この10月に無性にゲームがしたくなって、「ファミ通」で読者の評価の高いこのソフトを購入しました。「弟切草」「かまいたちの夜」もおもしろかったので、期待していました。期待以上のできで、それはもうはまりにはまって、仕事に差し支えが出るくらいやってしまいました。8人をハッピーエンド(?)に導いていく分岐を考えたり、様々に運命が変わるバッドエンドの数々は、私の心を揺り動かした気がします。
5年前のゲームということもあり、格闘ゲーム全盛期のゲーセンの雰囲気や、電話ボックスのISDN回線をつかってインターネットをしていたりするところも実写の画面なのでなので妙に懐かしさも感じてしまいました。
七曜会のシナリオや、市川のシナリオのラストが納得いかなかったので、少し尻窄みしてしまった感があるのが残念ですが・・・。僕としてはこの作品の10年後を舞台にして、是非「街2」をPS2か後継機で2008年くらいに出してほしいのですが・・・。(もうやめてしまった役者さんもけっこういるというので、無理かな) (03.12.4)
評価…★★★★★★★★★9

りかつ 殿

私はサターン版しかプレイしたことがありませんので、「街」をプレイしての感想です。しおりキャンペーン応募のために夜は家のテレビを独占してました。(結局銀のしおりでしたけれど。)あの当時のサターンというゲーム機のスペックを考えれば、かなりがんばった作品だったと思います。サターン版はバッドエンド達成リストみたいな機能がなかったので、ノートに一生懸命メモしてました。PSにはそういう機能が追加されるとゲーム雑誌で知って悔しく思ったものでした。シルエットモードもなかったはずです。

それから実は私、「ウルトラマンガイア」のファンなのですが、日曜日役の久野さんがかなり重要な役で出るということでさらに熱心に見ていました。続編については当時は、登場人物100人構想とか、すでにそのために撮影は進んでいるような情報もあって、本当に期待していました。ドリームキャストで出るとばかり・・・。制作スタッフも出演していたり、意外な大物俳優も出ていたり、他のサウンドノベルをプレイしたことのなかった私には実写でも違和感なかったです。渋谷はいろいろ思い出があるので、見覚えのある場所が出てくるたびに大騒ぎしてました。

シナリオに関しては街にはいろんな人がいるのだから、こういうこともあるんだよなあきっとと当時は思っていました。ただ渋谷という街について変な誤解がされないかしらと心配もしました。(03.12.28)
評価…★★★★★★★★★9

哲坊

PS版は、一部アダルトな部分などがカットされているようなので、サターン版も一度プレイしてみたいです。しかし、今や本体もゲームも入手は難しいだろうなあ…(笑)。このゲームのために本体買うのもナンですし…。(03.12.28)

シークーサー 殿

最近サターン版を買いました! 運がよかったです! でも特にアダルトな部分はなかったような‥。いやあ、ぶっちゃけ「かまいたちの夜2」よりハマりましたね、これは。ただ桂馬のバッドエンドがほとんど渋谷爆破ってのはちょっと‥。まあ悪いところはそれぐらいで、シナリオとかはさいこうでした!(04.2.19)
評価…★★★★★★★★★9

えーるぱぱ 殿

私はサターン版でやりました、理由はあの「かまいたちの夜」に続くチュンソフトのマルチシナリオゲームであったから、です。当時はあの刑事が旨そうにコーヒー牛乳を飲む姿を見ると妙に飲みたくなり、コンビニで1Lパックを買い込みそれをストローで飲みながらダラダラプレイしてたのが思い出されます。あと口ぐせの「でせう」も妙に気に入ってました。私は哲坊さんと違い逆にバッドエンドが気にならなく、むしろそれを楽しんでプレイしたクチでしたので、一つづつ分岐点をしらみつぶしに選び、その度にノートに書いていくという行為自体が凄く好きで楽しんでプレイした記憶があります。ですがご存知の通りサターンはプレステの攻勢に押されマイナー機種となり、「街2」がどこかのプラットフォームで発売するという噂からもう何年の時が経ったんでしょうかね。

さすがに今は一つのゲームを一気にやり込む、という時間も作れなくなりましたのでもっぱらファミコンで20分も遊べばいいや、って感じなのですが、「街」は確かに何十時間もの時間を費やした、いや費やす事が出来た内容のゲームだったと思います。(04.3.8)
評価…★★★★★★★★8

UCC 殿

いろいろと評価が分かれるゲームですが、私はこのゲームに最高点をあげます。「弟切草」、「かまいたちの夜」、「街」の三部作の中で最も面白いのではないでしょうか。確かに途中でわけもわからず物語が中断してしまい、テンポが非常に悪いという欠点はあります。恐らくこのゲームを「クソゲー」という人々はこのテンポの悪さに閉口したのだとおもいます。その点さえ乗り越えてしまえば、面白いように話を進めていくことができます。何しても、秀逸なシナリオ、魅力的なキャラクター達、どれをとっても最高の作品だと思います。まだ未プレイの方々、このゲームはプレイしても損はしないゲームだと思います。やりこむ系のゲームがお好きな方は一度プレイしてはいかがでしょうか?

投稿している方ならご存知かもしれませんが、このゲームは今をときめく窪塚洋介の下積み時代の作品。私はこのゲームをプレイした後に「池袋ウェストゲートパーク」を見て、「あ、『街』の奴だ」とビックリしました。話がそれましたが、格闘ゲーム以外のジャンルの中でもかなりハマッた作品。私的には「街2」を出して欲しいですね。(04.6.7)
評価…★★★★★★★★★★10

どらやす 殿

PS ONE BOOK版を見つけたので買いました。未だに評判の良い伝説のゲームとの事だったので、かなり期待してプレイしたのですが…。うーん。正直、期待ほどではなかった。つまらなくはない。でも、そんなに狂喜する程でもない。既に言われている「システムのテンポが悪い」とか、そういう事が原因じゃないです。私的には「ストーリーのテンポ」の方がよっぽど悪く感じました。長坂さんが一人で手がけた「シュレディンガーの手」を除いた全ストーリーに言える事ですが、練り込み不足で、折角途中まで盛り上がっていたのにラストでがっかり、というパターンが多かったです。

特に山ア修さんのシナリオは、いくつも事件が起こる割には盛り上がりに欠け、ダラダラ長く、ラストもお粗末だった。もっと圧縮して3日で終われば良いシナリオになったのでは?という印象です。「オタク刑事走る!」は、一日目に関しては凄く面白いのに途中で(2日目途中辺り)で真犯人が誰だか、読者はすぐ分かる。しかも、全部偽物爆弾。それを5日繰り返す。それなのにゲームの進行上、刑事たちは5日目まで犯人が誰か気づかず、毎回偽物をつかまされて右往左往するという無理矢理な設定にしてある所為で「あ〜、どうせ又偽物の爆弾でしょ?5日目まで。」「犯人あいつだし」という感じで5日目のエンディングまでダラダラ「やらされる」事になる。エンドも特別感動するようなものではなかった。思ったとおりっていう感じ。

「やせるおもい」は洋一が死ぬほどブサイクな上にムカツク事を言う男で「なんでこんな男に…?」という気持ちは否めない。これも、エンディングが容易に想像出来るから意外性も何もない。ただ、美子の行動や月曜日の行動は結構可愛くて好感持てた。

「THE WRONG MAN 牛&馬」は、基本的にダラダラ。ヒロインのみちるが40過ぎ位のおばさんでブスだし…。でも最終日(三日目)の馬が白峰組でタンカ切るシーンとラストの牛と三次とのやり取りのシーンは爽快でとても良かった。が、出会ってからたった3日しか経ってないのに互いの恋人に即乗り換えた上に婚約って…。凄いこじつけ。不自然なラストで、がっかり。全てぶち壊し。

「で・き・ちゃ・った」は女性がプレイすると不愉快極まりない。陽平という主人公は女を寄せ付けてしまう役ですが、正直そこまで「悪の魅力」も「フェロモン」も「好青年さ」も感じなかった…。顔は、確かにまぁまぁ。又、こいつ女の趣味が悪い。「一度きりだ」って言ってるのに「結婚」の要求。すでに別れた女なのに「結婚」を要求。金とヤクザの脅しで「結婚」を要求。こんな恐ろしい女達にも、矛盾した性格の陽平にも共感出来ない。ラストも最悪。何も解決していない。謝ってごまかしただけ。

「迷える外国人部隊」全く面白くなかった。隆士は基本的に好みの外見だが、性格に全く共感出来なかったし作者の言いたい事が何なのか全く伝わらなかった。一番「街の住人」として居そうな存在だが一番、中身のない作品。ラストもつまらん。

「七曜会」早く言えば「ねずみ講」の話。ハッキリいって、話の設定に相当無理があるのだが「キャラ勝ち」といったところだろうか。ラスト前までは正志の成長が見れ、スピード感があってなかなか面白い。ラストは駄目駄目。

「シュレディンガーの手」長坂さん一人で手がけた脚本。彼の才能の違いをハッキリ確認出来る作品。「これはプロが書いてるだろ」となんか感じた(笑言うならば、「モーニング娘。」の中に「宇多田ヒカル」が一人混じって歌っているような感覚か。一番話がまとまっており、印象的な作品だと感じました。ただ、話のテーマがとても重い。考えさせられる作品です。自己を蝕む精神と対峙して、戦いながらも壊れていく主人公を描いた作品なので、こういったテーマを敬遠する人も多いのではないかと思います。私個人は、このような重いテーマの作品は非常に関心があったので、かなり気に入っています。シナリオ力・構成力・表現力も豊かで唸らせられました。(04.9.27)
評価…★★★★★★6

ホイミン 殿

最高のサウンドノベル。そう感じた人も多いはず。サウンドノベルが好きでこれをやってない人は損をしてると言い切れます。それほど良く出来てる作品なのです。どのシナリオも素晴らしいです。あえて挙げるなら馬部、正志とかが特に好き。正志の結末は謎ですが。青ムシのシナリオは常人には意味不明なので見なかった事にしました。このゲームは楽しさだけでなく感動もあります。恐らくゲームで1番感動した(家族愛とかに弱いのもあって)と思います。しかもオマケシナリオ。最終日に上がる謎の花火。その花火の謎がとけます。それを見てもう忘れられないゲームとなりました。暖かい気持ちで終わる素晴らしいゲームです。是非やって欲しいです。(05.5.27)
評価…★★★★★★★★★★10

ガブ 殿

サウンドノベルファンとしては今回も随所に”怖さ”が見れたのが嬉しいですね。弟切草、かまいたちの夜においては、内容もさながら、その怖さはシルエットモードたる所以のモノだと思ってましたが、今回は今回で実写ならではの怖さが味わえました。例えば、桂馬編においては、私はヌマさんの話を鵜呑みにして、パートナーであるしおりさんを犯人だと思った時期があったんですが、一旦そういう心理状況下になりますと、画面がしおりさんの顔に切り替わる度にびくっとなる(笑)。しかもわざとかわからないけど、光の加減も薄暗い感じで絶妙だったんですよね。なんとないシーンなのに一人で緊張してしまうあたり、これはやられたな、って感じでしたね。やはりそういった”心理状態を加味した怖さの描写”ってのは1作目、2作目の経験が生かされてる感じがして

嬉しかったですね。私はかまいたちの夜2はやってませんが、レビューを見る限りではそういう練られた恐怖ってのが無いような気がして残念ですね。実際やってみたらあるのかもしれませんが(笑)。 (05.7.14)
評価…★★★★★★★★8

とっちん。殿

いやぁ、昔引っ越したときに手放したのですが、このページでこの名前を見て久々にわくわくして、衝動的に買ってきてしまいました(笑)。今やっても本当に色あせない不屈の名作!続編の噂が出ては消えの繰り返しですが当時の制作費でも大赤字だったらしくゲーム不況の今となっては続編はやはり期待薄なんでしょうかねぇ…。

このゲームを最初にやった当時、自分は中学生でした。どうも篠田のストーリーと市川のストーリーは馴染めずただボタン連打していた記憶がありますが今改めてプレイしてみると凄く考えさせられる話だなって思いました。特に篠田のストーリーは今何かと話題のマルチ商法が題材なんですね〜。色々なサウンドノベルをプレイしましたが自分の中では間違いなくずば抜けてイチ番!殿堂入りです。(05.7.14)
評価…★★★★★★★★★★10

ランブリングソウル

PS版で出た時に、本当に面白いのかと半信半疑でプレイしたのですが、「すみませんでした」という感じでした。シルエットよりも実写の方が断然雰囲気がいいですね。わけもわからずバッドエンドになり、他のシナリオを探し回って全体のストーリーを編み上げていかねばなりません。よくこんなの考えたなと感心してしまいます。オープニングの曲も良かったですね。

シナリオに関しては好き嫌いあるのですが、私はコメディ好きなのでやはり牛尾と馬部がお気に入りです。台詞ないんですけど表情と動きの演技も絶品です。いかにごまかし切るかというのがスリリングで笑ってしまいました。ただ反面、オタク刑事や七曜会は話が無理に長く、白けてしまうところもありましたが。

囁かれてる「2」はやはり出ないんでしょうかね。費用対効果が合わないんでしょうか。だからといってCGでやっても、全く別物になりそうですし。出れば絶対買いますけど…。でも「かまいたち」のことを考えると、これで終わりの方がいいのかも知れません。それにしても、細井美子役の伊藤さおりさんがこれほどメジャーになるとは、一体誰が想像したでしょうか(失礼)。(05.9.4)
評価…★★★★★★★★★9

需高

間違いなく殿堂入りです。8人(隠しシナリオ入れて10人)の人生に、どれだけ心を揺さぶられ感動したか!このような大作が、まだ世間で十分な評価を受けていないことが残念で仕方ありません。サウンドノベル史上最高の感動を、もっと多くの方に味わっていただきたい。

実写に抵抗のある方も多いでしょう。活字に抵抗のある方も多いでしょう。しかし、この作品には人間の感情、思想、体験、その他、心を動かすものが凝縮されています。隠れた秀作なのです。隆士&父シナリオは、涙無しには読めません。両シナリオを合わせて読むことによって、感動はひとしおとなります。馬部&牛尾シナリオはかなり笑わせてもらいました。桂馬と陽平にはハラハラさせられました。その他のシナリオも素晴らしかった。チュンソフトには、赤字覚悟で2を出して貰いたい。そうしたら、僕も赤字覚悟で買えるだけ街2買い占めるから。(05.12.4)
評価…★★★★★★★★★★10

トロメロ

私はこのゲームをPSPでプレイしました。いままで色々ハマるゲームはありましたが、これは・・なんというか登場人物達と実際に過ごしたような、そんな気になる不思議な作品です。昔、この作品の紹介をみた時は実写に抵抗があったのですが、実写ならではの妙なハマリ方があります。全く興味を示さない夫に今無理やりやらせてます(笑)絶対ハマると信じて(笑)2がでたら持っていないPS3でもWilでもDSでもなんでも即買いなのになぁ〜。09.2.18
評価…★★★★★★★★★★10

貴殿の投稿が、この頁を作ります。


この紹介文についてのご意見、このゲームのレビューを
お聞かせください。追って、当頁にガンガン掲載させていただきます。


●このゲームを1〜10の数字で評価すると?
 ( )内の言葉は一応の目安ですので、補足があれば上に書いてください。

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