香港衝動的旅行 ブルース・リーと関羽を訪ねて<その3>


文武廟へ関羽まいり




至る所にあったセブン・イレブン。
派手なのは旧正月の飾りがしてあるから
 


地下鉄・太子駅から香港島へ…

 ブルース・リー邸とカオルーントンに別れを告げ、香港島へ渡るべく地下鉄の太子駅へ向かう。高級住宅街を抜け、街並みは段々と香港らしい姿に変わってきた。街なかで非常に目立つのは、コンビニと喫茶店。コンビニは、一番多いのがセブン・イレブンで、次がサンクス。ローソンは見かけなかった(笑)。店構え、品揃えも日本とほぼ同じ。サンドイッチ類に混ざって、ストローを刺して飲むココナッツの実が売っていたのには笑った。喫茶店は、ほとんどがスターバックス。店構えは日本と比べてもかなり小さく、狭い場所に無理してOPENさせたような店ばかりだった。気温は15度前後で、上着を着て歩き回っていると汗ばむくらいの陽気だ。1月下旬とは思えぬ暖かさが、日本との違いを感じさせる。


日本と変わりない地下鉄の駅

 地下鉄の駅の風景も、日本とそう変わらない。香港人は短気と聞いたが、事実通行人の足が速く、せわしない印象を受ける。驚いたのはエスカレーターのスピード。日本の2〜3倍は速いが、それでも歩いて上がって行く人もいる。東京と逆で、普通に利用する人は右側に寄って左側を空けていた。これは関西と同じである。関西といえば、電車内の様子もそれに近い。人々は周りにはばかることなく、割と大きな声で会話するためかなり賑やか。平気で携帯電話で話す奴も多かった。マナーといった面は、想像していたとおり日本よりはるかに悪い。まあ、香港人にとっては、それが周囲の迷惑になるとは思わないのかもしれないが…。しかし、思ったよりも車内は清潔だった。



きっぷの販売機は、日本と違い1台ずつ独立して立つ。
また、50HK$以上の高額紙幣は使えない
 

路線図から目的の駅の部分を直接押す、タッチパネル式。
実にわかりやすい。日本も見習うべきだ
 

これが切符。素材、大きさともテレホンカードのようだ。
折り曲げると罰金を取られるらしい(笑)
ちなみに、香港では日本よりも早い段階から
Suicaのようなカード(オクトパス)が普及している

ゲームボーイに興じるお子様。
座席はなんと、金属製。だから滑る滑る(笑)。
この国はゴミを平気でポイする人がいるので
掃除がしやすいように金属製にしてあるとか



ワゴン車が邪魔である(笑)


学校の体育館のような?
質素な造りがいい

文武廟

 途中で簡単な昼食をとり、香港島の北西端に位置する上環駅に到着する。海底を通ったとは思えぬほど、あっという間だ。ここが文武廟の最寄駅。文武廟は、1842年頃に建てられた香港最古の道教の寺院である。で、何故にここを訪れたのかというと、武の神(関羽)文筆の神(文昌帝)の2神が祀られているためである。もちろん、用があるのは片方の関羽様の方なのだが(笑)。

 長い階段をのんびり登っていくと、横浜中華街の関帝廟に比べると随分控えめで質素な造りの寺院があった。中は薄暗く、線香の煙がもうもうと立ち込め、一番奥に祭壇が見える。旧正月が近いためか、かなり大勢地元の人々が参拝に訪れていた。若者から年配者まで、随分と熱心にお祈りしている姿に驚かされる。中国人は関羽を「関公」と尊称で呼ぶが、確かにこの雰囲気の中で「関羽」などと呼び捨てにしたら殴られそうな気がする(笑)。いやしかし、この信仰の文化は我々も見習うべきものがあるかもしれない。

 廟内には、あちらこちらに像や、線香を立てる台が置かれているが、どんな順番でどうやってお参りをすればいいのか勝手が分からない。右側に、線香やパンフレットの売店があったので、とりあえずそこで線香を3本とパンフレットを買い、地元の人たちに混じって、ロウソクで線香に火を点す。そして、一番奥の2神が鎮座する祭壇へ。



煙がこもっていて、視界悪し(笑)

色々な長さと形の線香が売っていた

地元の人々に混ざって火をつける

関羽のシンボル、青龍刀が立てられている

よく分からないが、髭の長い右側が関羽像か?

その手前には護衛の2人。もちろん関平と周倉だ

 一番奥が本尊であることは間違いないので、その前のところに線香を立てた。そして周りの人に習って手を合わせ、無難に参拝を済ませる。そういえば、今年は横浜中華街の関帝廟にまだ行っていなかったので、こちらの方が初関羽詣でということになる。そろそろ、線香の煙にも耐えられなくなってきたし、地元人の参拝の邪魔をしても悪いので外へ出る。建物と門の間にも、地元人が結構いて談笑していた。子供も遊びまわっているし、彼等にとっては神聖な場であると同時に、ここは憩いの場なのかもしれない。


 車が邪魔なので、右に寄って撮影。…すると、どこからか警官がやってきており、車のそばに戻ってきた1人の男をつかまえて話しを始めた。どうやら駐車違反の模様(車の前の黒服が警官、青服がドライバー)。我々の呪いの念が通じたか(笑)?

 黄色い看板には赤い字で「歓迎参観」などと書かれているのだが、建物とは全然マッチしない色使いで、美観的にである。目立てば良いというのか、このあたりの色彩感覚が、日本人としてはどうにもよく分からない。




石像の数はものすごい



階段の途中にも出店が

 さて、この辺りは骨董品店の並ぶ「骨董街」があるので、何かいい土産物はないかと物色してみる。しかし、骨董というだけあって、手が出せる値段ではない。それに、花瓶や石像ばかりなので、持ち帰ろうにも重過ぎて駄目だ。近くには「キャットストリート」と呼ばれる露店街もあって、そこには薄汚い店が沢山並び、怪しげなにおいがぷんぷん。

 ガラクタ同然のものから、えらく値の張りそうな美術品がズラリと並ぶ。タダみたいな値段で投げ売りされているエロVCD、毛沢東バッジ、14型テレビなど本当に色々である。うーん、売れるんだろうか?

 ブルース・リーグッズを置く店もあると聞いたが見つからず。閉まっている店も結構あったので、それかもしれない。関羽像も沢山あった。そのバリエーションの豊富は、横浜中華街と比較にならないぐらいだったが、やはりサイズが大きいものばかりで、とても持ち帰れるものではないのだった。しかし、同じ品物でも値段は店によってまちまち。物色していると、大抵は愛想よく店員が近づいてきて、値段交渉が始まる。交渉次第では、かなり値切ることができた(結局買わなかったが(笑))。



馬に乗った関羽像。買えない値段ではないが
持ち帰るとなると…

関羽だらけの店も…
見るだけでお腹いっぱいである(笑)

掛け軸には張飛…?
と思ったらやはり鍾馗様でした

赤い服の関羽は貴重である

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