香港衝動的旅行 ブルース・リーと関羽を訪ねて<その4>


ビクトリア・ピークと船からの夜景




ピーク・トラムの線路越しに
香港の街を見下ろす
 


ビクトリア・ピークへ

 骨董街では結局何も買わずに、上環駅に戻ってから金鐘駅へ。ここから少し歩くと、ビクトリア・ピーク山頂まで運んでくれるピーク・トラム(登山電車)の駅がある。これが物凄い急勾配で、車体と一緒に座席が斜めに傾いたまま登ってゆく。斜め上を向いたまま、5分ほどで山頂へ到着。往復で30HK$(約500円)。

 さすがに頂上からの眺めは素晴らしい。夜に訪れると100万ドルの夜景が観られるというが、夜は夜でフェリーからの夜景が観たかったので先にこちらへ来ることにした。この日は曇り空なので、あまり景観はよくなかったのが残念。でも、高いところに上るのは気持ちのいいものだ。

 


光の加減でやや色黒に見えるが、
よく出来ている

 


 おおっ、ジャッキー・チェン!

 ファンサービスのイベントか何かで訪れていたところへ偶然…そんなうまい話があるわけがない(笑)。山頂にある、「マダム・タッソーの蝋人形館」へ入ったのである。実は、このジャッキーチェン人形のみ何故か撮影は有料で、記念撮影用のカメラが設置してある。「高い入場料(確か75$)取っておいて、さらに金払うのかよ」と頭にきて、おかまいなしにパシャっとやったら、やっぱり係員に怒られた(笑)。でも、ばっちり写したもんね。入口付近には、他にチャップリンなど2〜3体の人形があったが、エレベーターで地下へ降りるとそこには世界のビッグスターが勢ぞろいして我々を待っていた。



何故かタキシード姿のスタローン
 

スカートをおさえるマリリン・モンロー。
 下からわざと扇風機で風を起こしている

イギリスの映画監督、アルフレッド・ヒッチコック。
気持ち悪いほど似ている

ハリソン・フォードは、インディの衣装だ



 とまあ、こういう具合に、著名人の蝋人形がズラリと並んでいる。さて、メジャーな映画俳優コーナーの最後に迎えてくれたのは、やっぱりこの人でありました。

 

 アチャーー!

 「あちゃー!…似てない(笑)」 思わず、そんな台詞が口をついてしまった。まあ、無理もないか? この蝋人形館はイギリスが本家で、香港には最近できたばかり。だから、生きている俳優は本人から顔や体の型をとって造れるんだそうだ。つまり、死んだ人は生前の写真などから造るしかないわけだが…これはいくらなんでも…(笑)。痩せ型の男に黄色いトラックスーツを着せればいいってもんじゃないぞ(笑)! 細かいことを言うようだが、ブルース・リーが着ていたトラックスーツは真黄色ではなくて、オレンジだぞ。それに、ジークンドーの基本の構えはサウスポースタイルだ。しかしこれ、本人よりも「死亡遊戯」に出てきたソックリさんに似ているような…。西洋人がイメージで造るとこうなってしまうのか…?

 まあ、ここに来る前からネット上で写真は見ていたので、似ていないという覚悟はできていた。それでも背格好は映画のままの等身大のブルース(似ていないけど)に会うことができたので、ここでしばらく足を止めて写真をパシャパシャ。


人形には、中国語と英語による
解説がついている


角度によっては似ている部分も…


いや、やはり似ていないかな(笑) 
(死亡的遊戯より)

 

 同じファイティングポーズで写真をとり、ようやく気が済む(笑)。実は、私以外にもコアなブルース・リーファンの女2人組が来ていて、なかなかどいてくれなかったのである(右写真)。まあ、同じファン同士だから良しとしよう。中にはブルース・リーを知らないのか、ここを素通りする外人らも居た。まあ、色々なジャンルの有名人がいるので、人それぞれの楽しみ方ができる施設だ。でも本場なんだから、もう少し似せようよ…(笑)。



何故か千代の富士。
やはり、東洋人はあまり似ていない…

ボクシング元世界ヘビー級チャンピオン
モハメド・アリ

ナオミキャンベルとエル・マクファーソン

ビートルズと見知らぬ少女。
少女は人形ではありません(笑)

ブラック・プリンスと呼ばれたイギリス王
エドワード三世など歴史上の偉人たちも

なぜか、こんな人や…

こんな人も…観光客によっては
叩き壊したくなる国の人もいるのでは…

ダイアナ妃。
やはり西洋人は似ている…

妻が大ファンだというフランスの俳優
ジェラール・ドパルデュー

蝋人形館には付き物の、こういう趣味の悪いコーナーも。



 さて、しばらくビクトリア・ピークでのんびりした後は、灣仔(ワンチャイ)駅へ。ここから、香港島と我々が泊まっている九龍側を結ぶフェリーが出ている。その名もスター・フェリー。港へ向かう前に、かなり空腹を覚えていた我々は、夕食を摂る場所を探す。どうせなら夜景を見ながら食べたいと思ったので、海沿いの建物に飲食店がないか探す。しかし、これがなかなか見つからない。「東海海鮮酒家」という、良さそうな店をようやく見つけて入ったが、ずいぶんと高級だったので値段を気にしながら注文。やはり漢字だらけのメニューから、豚スペアリブ、海老とカシューナッツ炒め、漬物(ゴーヤ)にご飯。これで5000円ぐらい。高かったけど、まあ美味かった。値段的には中華街と似たようなものだな。しかし、海と夜景を見ながら食べられると思ったが、全然見えないテーブルに案内されてしまって残念。

 
安そうな店がないので、ちょいとリッチな気分を味わってみた。

 

 陽もとっぷりと暮れてきた。港へ向かい、船(スターフェリー)を待つ。地下鉄だと数分で渡れてしまうので味気ない。せっかくだから船で渡ろう。そう思う人は、地元人にも結構いるようで、かなりの数の人が次の船を待っていた。しかもこの船、運賃はたったの2.5$(50円程度)。地下鉄よりも安上がりだし、夜景も観れるとなれば利用客が多いのもうなずける。

 
乗客のほとんどは地元人だったように思う。大きく見える建物は、香港コンベンションセンター

 およそ15分おきぐらいに往復しているので、程なく次の船が入港。地元人に混ざって乗り込む。評判通りの夜景が、窓の外に広がりはじめ、海上のひんやりした風が頬を撫でて気持ちがいい。

 
香港の面積は1067平方キロ(東京都の約半分)。その狭い中に700万人がひしめいている

 10分程度で対岸の尖沙咀(チムサーチョイ)へ到着。もう少し乗っていたい気分だった。帰りは電車で太子駅まで戻り、そこから延々と歩いてホテルへ帰った。3キロ程度なので大丈夫だと思ったのだが、思ったよりはるかに遠かった。ふらふらとホテルへ帰り着き、近くで買った青島ビールで乾杯。

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