死亡遊戯
GAME OF DEATH

ゴールデン・ハーベスト配給
監督・脚本/ロバート・クローズ、ブルース・リー
武術指導/サモ・ハン・キン・ポー、ブルース・リー
撮影/ゴッドフリー・ゴダー、賀蘭山(西本正)
香港公開/1978年3月23日
日本公開/1978年4月15日

個人的オススメ度(5点評価)…★★★3

あらすじ

香港のアクションスター、ビリー・ロー(ブルース・リー)とその恋人の歌手アン(コリーン・キャンプ)は、ランド率いる犯罪シンジケートから独占契約を求められていた。しかし2人は、彼等の陰謀を察してその契約を拒否し続けたため、命を狙われるようになる。ついに、ビリーは映画の撮影中、ランドの手下に顔面を撃たれて倒れるが、間一髪急所を外れ死だけはまぬがれた。ビリーは自らを死んだことにし、盛大な葬儀を行なわせた。やがて回復したビリーは、密かにドクター・ランド一味への報復を開始。最後にはドクター・ランドの居場所であるレッド・ペッパー・タワーを突き止めるが、そこには各国から集められた武道の達人らが待ち構えていた…。


― 死後も覚めやらぬブルース人気が生んだ記念作品 ―

 制作が開始されたのは、もちろんブルースの存命中で「燃えよドラゴン」より前になる。1972年夏、弟子でもあり、友人でもあるアメリカ人のジャバールが香港へ遊びに来ることになり、ブルースは彼の身長(218cm)を活かして新作映画のクライマックスを撮ろうと考えた。塔の各階に強敵が待ち構えているという設定は、以前から温めていた構想だったらしい。よって、ジャバールが香港に滞在している10日間ほどの時間を利用し、アクションシーンから先に撮影が開始された。その後、イノサント戦、池漢載戦と撮影を終えたところで、ハリウッドから「燃えよドラゴン」制作の話が舞い込んだため、この「死亡遊戯」(原題:死亡的遊戯)の制作は中断されてしまう。

 翌年「燃えよドラゴン」が完成し、いよいよ「死亡的遊戯」の制作再開…というところで、ブルースは塔での3つのアクションシーンだけを遺し、逝ってしまった。ほとんどのストーリーや台本は、彼自身の頭の中にしか存在しなかったため、そのシーンはもはや日の目を見ることがないかと思われた。しかし、それから5年の歳月を経て、残されていたアクションシーンを活かし、レイモンド・チョウ、ロバート・クローズらが「死亡遊戯」を作り上げた。

巨人ジャバールの来訪により、
制作がスタートした

「ドラゴンへの道」に続く、ブルースの
監督作品第2弾となるはずだったが…

 さて、その映画の内容だが、やはり主役が不在ということで非常に苦しい作りになっている。ドラマ部分は、ブルースが演じた場面はひとつもなく、すべてソックリさんのタンロンや、ユンピョウの後姿であったり、顔がハッキリわからないような工夫がなされている。時折顔のアップが登場するが、それは全て「ドラゴンへの道」など過去の作品からの流用である。監督は「燃えよ〜」での実績からロバート・クローズがつとめたが、そのためかストーリーは完全にアメリカナイズされてしまった。設定、脚本も根元から作り変えられている。

 そして最大の問題は、ファンが一番観たがっていた、ブルースが遺したアクションシーンの使い方である。この監督、それをたったの11分にカットしてしまったのだ。本来3人で登っていくはずの塔を、1人で登って行く設定にしているし、セリフも一切無くしてしまった(しかも、登るのは塔ではなくレストラン)。このため、香港での公開時は期待を裏切られたファンがブーイングを巻き起こし、騒然となったという。仲間役の陳元がすでに故人となっているなど色々と制約もあったのだろうが、もう少し何とかならなかったのだろうか。当時はブルースが死んで間もないし、撮影に携わっていた人間から色々な情報を得られたはず。それに、資料から得られる題材をもっと活かすこともできたはずなのに、残念でならない。そのアクションシーンを観る限り、間違いなくブルース・リー映画の最高傑作となる可能性が充分だっただけに。


なんと、「ドラゴン危機一発」のフィルムから
首だけが差し替えられているシーンもある。
苦しい…

時々、モロにソックリさんの顔が
映ってしまうのもなんだかなあ。
もう少し何とかしてほしかった…

 1978年当時は、ビデオデッキもまだ普及していない時代だったから、今のようにブルース・リー映画を家庭で繰り返し観ることなど出来なかった。だから、他作品からの流用であっても、ブルースの姿をスクリーンで観られるだけで観客は幸せだっただろう。当時だからこそできたトリックでもある。今見直すと、それらの仕掛けがことごとく分かってしまうので、ツッコミどころには事欠かぬ映画である。代役のタンロンやユンピョウも頑張ってはいるが、ブルースの動きは到底完璧に再現しきれるものではない。

 加えて、この映画のマズいところは怪鳥音である。他の作品の「アチョー」とは微妙に違う…というより「ファー」と「ハチャ」という気の抜けたような感じなので、まるっきり別人がアクションしているようにしか思えないのである。なぜ、もっと上手い人に吹き替えをさせなかったのか甚だ疑問(声の役をイノサントが推薦したという話もあるが…)。余談だが、香港で出回っているDVDは本人の怪鳥音を当てているので、代役のアクションシーンもかなり感情移入して観られる。しかし、なぜか池漢載戦が削られているし、エンディングのBGMが非常にダサい。ラストも警察に捕まって連行されるという、馬鹿に後味の悪いシーンが追加されているので、どちらも一長一短である。


オープニング、エンディングBGM、挿入歌だけは
珠玉の出来。恋人がアメリカ人というのも
まずまずブルースの面影を感じさせる

ブルースが遺した原作のスナップ。
しかし、その遺志はこの映画に、
ほとんど活かされていないのが残念

 こんな映画だが、さすがはハリウッドという面もある。それは音楽や演出面。007シリーズのジョン・バリーが作った名曲とともにクールに展開されるオープニングは、映画の内容以上の完成度を誇っている(笑)。ボクサーの辰吉が入場テーマに使用したことでも有名。また、恋人役のコリーン・キャンプが唄う挿入歌&エンディングテーマも秀逸だ。スタッフロールとともに過去の作品の名場面が次々と流れ、独特の悲哀と感動にひたらせてくれる。優しい女性ボーカルが彩るこのエンディングは、何度観ても私は涙してしまう。(香港版は×)

 2001年に「GOD.死亡的遊戯」が作られたことで、この映画の役割は終わった感もある。実際、「GOD」池袋公開初日のオールナイトでは、この旧作も同時上映されたので初めて大スクリーンで観たのだが、館内のあちこちから失笑が漏れるなどファンの正直な反応を体感することができた。ただ、終盤のレッド・ペッパー・タワーで本物のブルースが出てくると、それまでテンションの低かった映画館の体感温度が急激に上がったような気がした。そういう意味では、当時のブルース・リー熱を存分に感じさせてくれる作品でもあるし、「GOD」と比較する意味でもまだまだ意義のある存在といえるだろう。(2003年5月6日 哲坊)


小龍ファンが斬る! 「死亡遊戯」

黄色いヌンチャク

日テレ「木スペ」の完成告知特番に始まり、当時の盛り上がりはスゴかったと記憶しています。当時私は中学1年生だったのですが、普段はブルース・リーは全然興味なさそうだったクラスメートまで劇場に詰め掛けていました。
哲坊さんもおっしゃるとおり、国際版のオープニングとエンディングは映像もサウンドも今観ても素晴らしいの一言に尽きます。怪鳥音については、当時の劇場公開版は東宝東和で本人の怪鳥音をGH社から取り寄せ、あてたと後に「101匹」で知ることとなりました。ですので当時のバージョンはびんびんに感情移入しまくりだったワケです。(笑)
しかも、チ・ハン・サイ戦もあり、何やら闘いの前にセリフをおっしゃる。劇場では英語字幕がついてました。TV版では「おまえの腕がどれ程のものか・・」なんて台詞をおっしゃつてました。このシーンだけは怪鳥音、打撃音も何か荒削りな迫力がありました。賛否両論あるところの本作ですが、子供の頃、劇場の2階席まん前の席から1階の席へ落っこちそうになりながら観てたイエロー・トラック・スーツに身を包んだリー師祖に会えた記念作品であり、一級のオマージュ作品であると私は断言したいです!(03.7.9)
評価…★★★★4

watawata

哲坊さん、はじめまして。愛知のwatawataという者です。死亡遊戯の公開前のタイトルはご存知のように「さらばブルースリー」というキャッチが付いていて、73年12月小6の時に「燃えドラ」を観て、ファンになった私にとって、このキャッチは空しさを覚えるものでした。さて、映画の方ですが、東和版(日本公開版)は、現在のDVDなどで聞ける、吹き替えの変な怪鳥音ではなく、他の3作品(除く危機一発)からの声を編集したものでした、不自然な上、ちょっと入れすぎという感じで笑えました。ただし、池漢載戦だけは音がちょっとこもった感じで、現オリジナルに近い(同じ?)ものでした。作品としては本人が出てくるまでは、ニセモノと他作からのカット(ファンにはどの場面かすぐに分かった)もので、ストーリーよりもそれが気になって気になって早く最後の場面になれって感じでした。しかし、リー本人のシーンは文句の付けようの無い位カッコよかったです。ここだけで、満足という映画ってことになりますかね。この映画でファンになった人も多いですし、それなりに価値のある映画と思います。(最後の方、文字化けしておりましたので略します。ご本人様が付け足してくだされば掲載しますので、よろしく!) (03.7.9)
評価…★★★3

トラガ・リー

はじめまして。トラガ・リーと申します。「死亡の塔」よりは遥かにマシですが(苦笑)最大の難点は、スタンド・イン部分のビリー・ロウが弱っちすぎること! なんでスティックや杖を持ったおじさん(役名忘れた)にガンガン殴られたりするんだ!? あいつらは武道家じゃないんだから! アクション指導はサモハンだったハズなのに、あれはないでしょう。ま、脚本がなってないのかもしれませんが。ただ、それだけに本物が登場した時に嬉しさ倍増、やっぱホンモノはちがう! と再再認識したりもできるんですけど。
初公開時、自分はちょっとリーさん熱が冷めてた時期で、場末の名画座で観ました。オープニングで「おぉ〜っ!」その後は「う〜む?」ラスト15分で「おぉおおおぉっっ〜!!!!」感情の起伏が激しくなれる1本です。(03.7.9)
評価…★★★3

八福星

初めまして、八福星と申します!私は香港映画が大好きで同じ映画を何度も見ます、はじめて見たのはジャッキーチェンの「ヤングマスター」でした。当時、小学生だった私はジャッキーのカッコ良さにファンになり真似事などしたものです。私が小6の時にブルースリーの「ドラゴン危機一発」と「ドラゴン怒りの鉄拳」が2本立てで再上映したのを鮮明に覚えております。初めて見たブルースリーの映画でジャッキー以上のカッコ良さ、強さに大ファンになってしまいました。昭和55年〜60年頃はよく「月曜ロードショー」やローカル番組で香港映画をやってましたよね。少林寺系や拳法シリーズなどありましたが私はこの「死亡遊戯」が大好きになりました。この映画に関しては色々と言われてますよね〜、例えば長身の黒人がブルースを蹴った時に付く足型が逆とかブルースの代役にユンピョウが出てたりとか、ブルースのアップは静止画像だったりとかありましたね〜。今でもたまにビデオを借りて見てます。ブルースは最高!!(03.11.30)
評価…★★★★★5

裕次郎

私にとっては人生を変えられた作品です。78年の公開当時、友人に連れられ、なんの予備知識もなしに見たので、よけい衝撃的でした。ビリー対カール戦の特撮連続蹴りもやたら印象に残り、ラストの塔内ファイトでは完全にブルース・リーの虜です。家に帰ってヌンチャクを作り、サントラレコードを買い、パンフレットなどで、ブルース・リーについて研究していきました。最初に見た時は本人とそっくりさんの見分けもつかなかったのですが、やはりアクションと音楽、それからストーリーの面白さもあったと思います。いままでで一番何度も見た映画ですよ。それほど魅力がありますね。オープニングのタイトルバックもカッコよかったなー
「死亡的遊戯」が世に出た現在では未公開部分が若干色あせてしまいましたが、映画として完成しているので、その価値は永遠ですね。(03.12.28)
評価…★★★★★5

湘南の龍

はじめまして湘南の龍です。私がブルースリーを本格的に好きになったのはコノ映画です。1973年の頃も駄菓子屋でカードとかでブルースリーの存在は知ってましたが、何か怖いイメージで・・幼いながら死んだらしいは知ってました。小学6年生の1978年4月近所の友人達と渋谷スカラ座に見に行きました。今だ記憶に有るのはスカラ座はエレベーターに乗り5階に在ったと思いますが、その時1階付近にブルースリーとジャバールの立て看板「モノクロ」が在りました。

映画自体はその時ソックリさんには気が付きませんでした。その後都内の名画座に何度も足を運びました。東和版は謎が多いようですが、チハンサイ戦の音声は英語で無くオリジナルの本人の声のような感じがしました。下に黒バックに白文字で英語通訳が出てました。最近東和版の日本語を見たんですがトリミングされ確認は出来ませんでした。あとテレビCMもジャバール戦の指を舐めて手招きシーンの後日本語アナウンスで「死〜亡〜遊〜戯」と伸ばす日本語で入りました記憶が残ります。GODが出るまで死亡遊戯には本当にお金を使いました(笑)。(04.12.31)
評価…★★★★★5

カンフーチェン

はじめまして!「死亡遊戯」大好きです。「死亡遊戯」はあくまでも映画として撮った作品で「死亡的遊戯」はどちらかというとブルースファンへのサービス的な作品だと思います、「死亡遊戯」はブルースの事を知らない人でも充分に満足できる作品だし俺は思い入れのある最高の映画だと思います!ロバートクローズはよくブルースの伝えたかった哲学的なセリフをカットして反感をかっているようですが、監督としてはやはり哲学よりもその主人公の性質を最良の形で表現したかっただけかと思いますがどうでしょうか?

作品中のソックリさんが似ていないおかげで塔で始めて本物が出てきた瞬間「わああ〜っ」と映画館がざわめきました!これも監督の意図だったりして(笑)。それでもこの作品によって現在の(第2次)ブルースファンを育てたといっても過言ではないでしょう!ちなみに怪鳥音ですが意外にもブルースはが「アチョー」とはっきり発音したのは「怒りの鉄拳」でたったの1度っきりだったんですね(笑) (05.12.2)
評価…★★★★★5

SPACE−HIGH

死亡遊戯を最初に見たのは中学生の時だったんですけど、その頃はまだ子供だったからか、代役には気づかなかったし、純粋にブルース・リーだとおもってました。ただ、怪鳥音に違和感を感じました。あまりにヘボくて。あと付け狙ってるマフィアにやられっ放しで、半殺しにもされてますね。代役だからしょうがないけど。

やはり唯一の見所は塔での格闘シーンでしょう。この死亡遊戯のいいところはそれしかないです。それ以前の場面は殆どイモ。僕が塔の相手で一番強いと思ったのが池漢載ですね。リーの攻撃殆ど封じ、隙の無い攻撃をいくつか繰り出し、打たれ強い。ジャバール戦もいいですけど、個人的に池のほうが強いかな。ただマイナスなのが塔のシーンでもクリス・ケント氏がアチョアチョ叫んでました、リー本人なのに。08.7.19
評価…★★2

まもさん

おいらも、大のブルース・リーファン!彼を知ってからおいらの中で格闘技への憧れが目覚めいろんな格闘技をやりました。この「死亡遊戯」は、クライマックスのビル内での格闘シーン!!この映画が引き金で、ゲームでも塔を上っていき、各階の強敵を倒すという設定のものが多々出ていたように思える。この作品を始めて見た時、オープニングのテーマでぞくぞく感を味わった。

が、内容部分はそっくりさんがはっきり分かった。切れの無い蹴りにパンチ、ジークンドーとわかけ離れすぎ(怒)で、クライマックスのブルース本人が階段をスティック片手に駆け上がってきたシーンを鮮明に覚えています。この映画で初めてスティック技を披露している。ただ、ハキム戦までの死闘は文句のつけようが無いものの、ハキムを倒した後、がダサすぎる。ハキムを倒した後、あんな対戦必要なかったのでは、って思います。08.7.19
評価…★★★★★5




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