長文な上、ネタバレを多く含みますので、
クリアした方、時間のある方のみお読みください。
前作から5年の時を経て登場した最新作。
一番人気のハード・プレイステーションでの登場ということで、
前評判の高さから、売上本数は過去最高のドラクエIII(380万本)を
確実に上回るであろうといわれていた。
雑誌などから得られる情報での貧弱なグラフィック、
過去に例のない度重なる発売延期に対し、怒りや批判の声も多く聞かれた。
にもかかわらず、一般的なドラクエファンの期待度は
一向に衰える気配がなかった。
発売となるや、もちろんこれまでのシリーズ同様、
前日から行列ができるほどの盛況ぶりだったが、
初期出荷数も多く、予約していない人もかなりの確率で
発売日に入手していた模様。
さて、その中身について。
まず今作は良い意味でも悪い意味でも「問題作」であると思う。
というのはこれまでのシリーズに比べて、
内容以前の部分でユーザーを挫折させる要素が多くあるように思えるからだ。
それも交え、ゲームの進行とともに語っていきたいと思う。
まず意表をつかれたのは、私は前情報などを一切見なかったので、
最初の舞台が村ひとつ、城ひとつという小さな島であったこと。
(もっとも、増えていくだろうことは予想し得たが)
主人公はその小さな漁村・フィッシュベルに住む少年で、
グランエスタード城の王子キーファ、
幼馴染みの少女マリベルとともに旅に出る。
ドラクエはIIIから、「立派な男を父に持つ」というパターンが多いが、
今回もそれ。父は偉大なり。
主人公の名前はVから使っている「テツボウ」にした。
絵がいつもながら「ドラクエ」している。ほっとする。
ゲームの面白さと、グラフィックの美麗さは無関係。
これでも充分奇麗だと思う。
が、始めのうち主人公と商人のドット絵がまぎらわしいと思った。
(だって色と体格が似ているんだもの(笑))
そして画面は初の3D化。LRボタンで視点を360度回せるのだが、
人によってはこれが苦手(酔って気持ち悪くなる人)らしい。
この時点で挫折しそうになった人もいると聞く。
私はグルグル回しながら歩き回っていたほどで全然苦にならなかったが、
やはり少々煩わしさを感じていた。中途半端な位置で操作していると、
階段にうまく登れなかったり、対象物にうまく近付けなかったりするからだ。
45度回転やスタートボタンを押すことで解決する問題ではあるが、
分かりにくい。
ゲーム中盤〜後半では3Dならではのダンジョンなどが登場するのだが、
少なくとも、はじめのうちは3Dにした必然性を感じられなかった。
しかしCDの読み込みはROMと遜色ないほど速い。感心。
そのぶん、音楽が犠牲になっているか。
折角CDなのだから、オーケストラも聞きたかった。
さて、フィッシュベルを出て
グランエスタードの城に向かうのだが…近い(笑)!
あっという間に着いてしまう。
そこで王様に挨拶したりした後、
キーファととともに謎の神殿に入った主人公だが、
まずここをクリアするまでの最初の3時間(人によって差あり)は、
謎解きのオンパレード。
隠し階段や抜け穴、ボタンを押してしかけを動かす、
まさに「ドラゴンクエストの真骨頂」といった謎解きを
いきなり体験させられる羽目になる。
個人的には『大昔から建っている建物の謎を解き明かす』という楽しみを
主人公たちと共有できたし、
建物の奥に何が待ち受けているのかが楽しみで仕方なかったが、
実はここが最初の難関でもあり、早くもここで挫折した人もいると聞く。
何しろここをクリアしない限り、
RPGの醍醐味ともいえる「戦闘」が一切起こらないのだ!
(平和な島なので設定上「魔物が出ない」)
これはライトユーザーや根気のない人にとっては辛い部分であっただろう。
謎解き自体も最初から歯応えがあった。
とくに8角柱の部屋(壁画の部屋)は、
単に聖者のよろいを手に入れるためのヒントがある部屋なのだが、
私は先によろいを手に入れてしまったため、
(奥の4つのモンスターの台座は、勘で楽に解けてしまったから)
その部屋自体に何かが隠されているものと勘違いをして、
1時間ほど柱を出したり引っ込めたり、
柱の穴を覗いたりして悪戦苦闘してしまった。(嫌になって途中でうたた寝した)
さて、どうにか神殿をクリアして初の異世界にワープし、ウッドパルナに出る。
ここでようやくスライム登場。なんだかホっとしますな。
戦闘BGMの出だしはウルトラマンタロウのテーマっぽくて気に入った。
先へ進むとドラクエシリーズお馴染み、
「魔物に苦しんで困っている村人たち」の登場。
はいはい、僕らが退治してくればいいんでしょう…。
カラーストーンの洞くつをクリア後、
村でハンクに会い、彼を連れて東の塔で待っているのは、
いきなりゴーレム!
Iではもの凄く強い敵だったので、おい勝てるのかよ…
と思いつつ闘ったら楽勝(笑)
せめて最上階のチョッキンガーなんて情けない敵と逆にしてほしかった。
マチルダは問答無用に倒したが、
実は逃げることもできるというのがあとで判明。
で、このあたりから主人公たちはホイミやメラといった呪文を覚え、
使うことができるのであるが、ちょっと違和感を感じた。
というのも、主人公たちは突然現れた「魔物」と闘うことに
かなり戸惑っていたはずなのに、同じく非日常的な「呪文」というものを
何の予備知識もない(と思われる)のに抵抗なく自在に操れたからだ。
しかもAIの初期設定は「バッチリがんばれ」だから、
「なんで私がたたかわなくちゃいけないわけ!?」とか言っていたマリベルが
いきなり「メラ」と唱えて敵を焼いたのにはただ驚いた(笑)
せめて呪文に対する知識を植え付けるための
イベントがあっても良かったのではないだろうか?
ウッドパルナをクリアして現代に戻ると、島が出現。
行ってみると現代の平和なウッドパルナ。ふむふむ、そういうわけか。
次に向かうはエンゴウ。
ここで火山が噴火?するムービーが挿入される。
何か悪いことが待ち受けているのでは?というイメージムービー。
あちこちで不評といわれるなムービーだが、
ここでは「おお!なんだ?!」と思えたし、
カクカクした人物絵もなかったので、私は気に入った。
ワープしたときにいくつかこの手のムービーが挿入されるのかと思ったが、
ここだけだったので残念。
さて、村ではほむらまつりが開催されて火山へ。
山道のグラフィックは、さすがに3Dならではの見ごたえ。
どうやら火山ではタイムリミットがあったらしいが、難なくクリア。
リミットになったらどうなるかも試せば良かったか。
しかし、そこのボス「炎の巨人」は、ちょっと手抜きキャラでは…(笑)?
あんなのに負けたくはないぞ。
無事勝利し、エンゴウを救う。
そして現代のエンゴウへ。
ん?火山のダンジョンがまったく同じ造りだぞ。
そうすると、復活させるごとに
同じダンジョンをもう一度攻略しなくてはならんのか…。
なんだかだるいなあ…と感じ始める。
3度目のワープ。ダイアラックへ行く。
ああ、みんな石だ。なんかこういう村、VIにもあったような…(笑)
しかし、私はこの手の話に弱いので半泣きした(笑)
あの哀し気なBGMが妙にマッチして…。
街の人全員の思い出を見るのは面倒だったが。
少年の父親の石像が砕けたのには驚いた。
ドラクエシリーズにしては珍しく、生々しい残酷な場面だ。
現代に戻るとシムじいさん登場。ここが噂の移民の街か。
この町については後程。
次はオルフィー。人と動物が入れ代わってしまった街だ。
動物語の通訳のために、いったん現代に戻り、きこりを呼びに戻る。
ここの家のBGMも良いなあ。
さて、ボスのデス・アミーゴ戦では呪文が効かない苦しい戦い。
マリベルが死ぬが、なんとか勝利。
何故か「ザマアミロ」と思ってしまった。
マリベルは最初から気にいらなかった(笑)
口うるさい少年漫画のおてんばヒロイン系で、
これまたドラクエシリーズ定番か。
Vのビアンカなどもあまり好きではなかったが、
中でもマリベルは一番好きになれん。
自分が主人公なら絶対に連れて行きたくないがな。
前作あたりから、キャラが立ちすぎているために、
プレイヤーの想像力が入り込む余地が少なくなってしまった気がする。
まあずっと死んだままでいられるのも困るので生き返し、現代へ戻る。
そしてガボが仲間に。狼少年だそうだ。
ここは「もののけ姫」の影響を受けたんじゃないかなあ…と思う。
後の話になるが、マール・デ・ドラゴーンの船が
氷づけになっていたというのも、
「タイタニック」の影響を受けたんではないかと思うし(想像)、
この5年間の時の流れというものを感じさせられる(笑)
ガボは、言葉が話せるようになってしまうと、
まるっきり「ドラゴンボール」の孫悟空だな。マリベルはブルマ。
キーファ以外、ちょっと感情移入できそうもない仲間たちだ。
極力「はなす」コマンドは使わないようにしようか…(笑)
次は「からくり兵」に襲われたフォーリッシュを経てフォロッド城へ。
「からくり兵」は設定も絵も格好良いと思った。
しかし、マップ間の距離が近いなあ…。なんだか箱庭を歩いている気分だ。
これまでの作品だと、「西の城」というと遠くて、
どんな敵と遭遇するのかドキドキしたものだが、
敵と会う間もなくフォロッドへ入城。
ここで傭兵になるための資格を得るために、
フォロッド兵と闘うのだが奴は強い。
こっちは4人がかりで向こうは1人。情けない…。
そんなんで勝って、傭ってくれていいのか(笑)
フォロッド兵、あんなに強いのなら
からくり兵が束になっても勝てないんじゃ…?
さて、トラッドとともに拠点に乗り込もうとすると…
突然戦闘中にゲームが止まる。
そう、初のフリーズに見舞われたのである…。
30分ほど前にセーブしていたので事なきを得たが、
せっかく盛り上がっていたところで、なんだか嫌な気分に。
後でネット上を見ると、このあたりで同じような目に遭っている人が多い。
中には2〜3時間セーブしていないでフリーズした、という人も見受けられる。
うーむ。ゲームの出来以前の問題が起こっているようだ。
熱の問題だ、レンズの汚れだ、
PS2の設定次第だとエニックスは言い訳をしているが、
これだけ多くの人が同じ目に遭っているのだから、言い逃れはできまい。
読み込み時間が早いのは誠に素晴らしいが、読み込み回数が増えたことで、
フリーズの原因を作っているとすれば、皮肉なものである。
せめて謝罪するなりなんなりすればいいのに。
ともかく、これでやる気を失う(挫折する)人もいるだろうと思う。
私のプレステは、そのままだと極端に読み込みが遅いことがあるので、
他のゲームでも本体を立ててプレイしているが、
これでフリーズしたことは一度もなかった。
フリーズはドラクエVIIが初めてである。
一応ゲームクリアまで、フリーズはこの1回だけで済んだが、
これは致命的な欠点といえるので、評価マイナス1。
さて、ゲームに戻ろう。
拠点のボス、デス・マシーンと闘うが負ける。初の全滅。
2度目にガボの特技「ほえろ」が有効だと判明。
「ほえろ」は、このあたりの雑魚敵にも非常に有効だ。
しかし、AIに任せておくと使ってくれない。何故だ!?
ここでAI戦闘についても感想を述べておこう。
IVから採用されたAIだが、私は比較的活用している。(ボス戦以外では)
いちいち全員のコマンドを入れるのが面倒というのが一番の理由だが、
現実的に考えて、仲間が自分の意志で闘うのは当たり前だし
(ゲームとはいえ)期待したい。
多少は馬鹿をやってもそれを楽しむ程度の余裕を持ちたいし。
IVのAIは「じゅもんせつやく」しておいてもMPを使いまくるなど、
お馬鹿だったが、V、VIではかなりマシになったように思えた。
しかし…今回は本当に「AI」なのか?と思えるほどひどい。
攻撃パターンはまずまず良い。
混乱や寝ている敵は後まわしにしてくれることも多い。
しかし問題なのが仲間が戦闘中に道具をまったく使わないこと。
これには参った。
「賢者の石」「祝福の杖」「いかずちの杖」さえも使わない!
道具と同じ効力の呪文を使いまくり、無駄なMPを勝手に消費してしまう。
しかも魔法はMPが0になるまで徹底的に使いまくる。
「世界樹の葉」や「祈りの指輪」などを
勝手に使わないための配慮かもしれないが、
せめてMPが0になったら、HP回復に薬草ぐらい
使わせても良いのではないか?
それが難しいのなら、先に挙げた
何度使ってもなくならないアイテムだけを
使ってくれてもいいはずなのに。
特技も、同じことをくり返しているだけのパターンが多いし…
プログラム上でそんなに難しかったのだろうか。
VIまでは道具、使ってくれたと思うのだが…。
これでは、むしろAIは退化してしまったように思える。
使わないほうが有利みたいだし。
せいぜい戦闘中に味方が傷ついた時、
即座に回復呪文を使うのに期待して使うぐらいである。
デスマシーンを倒し、フォロッド城を救うと王様が「毒牙のナイフ」をくれる。
ど、毒牙のナイフ…(笑)王様にしてはセコい礼品だなあ…。
そして現代のフォロッド城へ。
白骨化したセボッドに、
エリーが延々とスープを運び続ける姿に心打たれる。
次はグリンフレーク。
ここではいきなり洞くつへ行ってしまい、
いち早く石版を手に入れてしまった(笑)。
本当は戻って来ない商人の話を聞いてから行くところだと後でわかる。
さて、街ではペペだの、リンダだの、イワンだの
複雑な人間関係が入り乱れており、
これをゲーム上で表現するのは大変だったろうなと思うが、
さして感銘は受けず。
ただ、現在へ戻ってみると修道院にリンダの墓があり、
しかも、後々もこの物語が尾をひくのが感慨深かった。
ユバールの村。
予想通り全部の人に話を聞かないとイベント進まず。
あれ、キーファがライラに惚れたようだ。
勝手に行動し始め、いやーな予感がする。
湖の洞くつをクリアすると、神を復活させる儀式が始まる。
ここで、あの不評きわまりないムービーが流れる。
実は5年前に作られたムービーだったのでは(笑)?
当時ならそんなに叩かれなかったのではないか?と思えるレベル。
しかし今なら、素人でももっと上手く作れる人がおろうに。
でも、なんでエンゴウとココだけなんだ?
精霊やオルゴ・デ・ミーラがらみで、
もっとムービーを使えなかったのだろうか?
そして、キーファが抜ける。
イヤな予感はしていたので、それほど驚かず。
せっかく育てたのに…という思いはあったが。
ただ、私の主人公は
「うおお、ワガママ女や孫悟空だけなんていやだ!
キーファ、俺をひとりにしないでくれえー!!」
…ぐらいの台詞は言っていたであろう。
キーファ「お前なら、オレの気持ちを分かってくれるよな?」
テツボウ「いいえ」
といったのだが、結局別れてしまいました…。
次はダーマ神殿。
ようやく転職できる!と思ったら案の定、ふきだまりの町へ落とされた。
このへんは展開が読めるなあ。
読めているのに、だまされなければいけないのが辛いところ。
町の顔役、スイフーたちと闘い、惨敗。
イベント進んで、イノップ、ゴンズにも負ける。
ちくしょう。強制的に敗北というのは我慢ならんなあ。
イノップ、ゴンズはあとで倒せるが、
スイフーには後になってもリベンジできない。口惜しい。
それにしても騙したフーラルの野郎は許せん。
「騙されるほうも悪い」だと?好きで騙されたわけじゃねえ。
私が主人公なら死刑にするところだ。
フォズ神官を助けて、ダーマの地下の決闘場へ。
ここで6連戦に突入。
勝ち進むごとに相手が強くなるのかと思いきや、大体みんな同じレベル。
大して苦労せず全て勝つ。
ボスのアントリアを倒すと、ようやく転職可能に。長かった…。
初期職業は以下のとおり。
テツボウ(主人公)…武闘家
ガボ…盗賊
マリベル…僧侶
ここまでの戦闘は、覚える呪文も特技も少ないため比較的単調。
やや退屈感を覚えていた。
でも、なんだかんだでフーラルのイベントなどでムキになるあたり、
やはりストーリーに引き込まれているのが分かる。さすが堀井マジック…(?)
そして現代のダーマへ。
名前が変えられるようになるが、今さら…という気がした。
マリベルに好きな女の名前をつける気になれないし…。
どうせ変えられるのなら、もっとはじめの方で変えさせてほしい。
この段階で変えても違和感ありありだ。
神殿の南で、山賊兵、山賊マージ、山賊、エテポンゲと戦闘。
山賊兵と山賊の違いは…?などと考えていたら(笑)全滅。
…くそ、特殊攻撃ばかりされて口惜しい。
2度目も負ける。また強制敗北イベントなのかと思ったほど強い。
レベルを1〜2上げて再度挑む。
ラリホーが効くのが分かり、今度は楽勝。
山賊のカシラにはわりと楽に勝てて、石版をもらう。
ダーマから東の島、メザレで魔法のじゅうたんを貰うが偽物。
どうやら、まだ貰えないようだ。
石版を使い、今度は砂漠へワープ。
砂漠ではハディートという男が仲間になる。
ナイラ川を渡るため、現在に戻り、遺跡発掘現場に化石を取りに行く。
おい、そんな大きいもの持って歩けるのか?
過去に戻り、ナイラ川でティラノス登場。
ティラノス、アップ画面では格好良いが、
フィールド画面になると、やはりセコい。川を直角に曲るし(笑)。
そして魔王像(ようはスフィンクス)へ突入。
ボスのセトと対戦。
マリベル、ガボ死亡。今作のボスは強い…。
主人公、スカラとベホイミを駆使し一騎討ちで勝つ。
次、クレージュの村。村人が怪しい井戸水を飲んでいるところ。
井戸の所にいた「あやしい男」には楽勝するも、
世界樹の地下を抜けた先の、井戸魔人に敗れ全滅。
普通に出てくる井戸魔人より全然強いじゃないか…。
2度目で倒し、続いてのウルフデビル戦では、
またもガボ、マリベルが殺られ、主人公1人で倒す。
リートルードでは、宿に泊まっても時間が経過せず焦る。
3回宿に泊まったところでハッと気付いて、バロックに会いに行く。
絵の中の「時のはざま」のダンジョンは不思議な雰囲気を堪能。
リートルードを救い、バロックの橋を北に渡ってグリンフレークへ。
以前から10年程時が流れており、イワンや、メモリアリーフではペペと再会。
リンダの件は、ひたすら哀しかった…
他の町のイベントは、ショートストーリーのようにあっさり終わるが、
この町では一番人間くさいドラマが見られた気がする。
でも…
そろそろイヤ気がさしてきていた。
短いイベントをつなぎ合わせ、過去での問題を解決し、
現代に戻ってきてまた町の探索…という同じことのくり返し。
とにかく時間がかかるし面倒。
このあたりで、イヤになって挫折してしまう人もいるかもしれない。
めげずに、現代のリートルードへ。
バロックの塔へ挑戦。
「これまでに誰も頂上まで行ったことがない」というから楽しみにしていたのに、
意外と簡単な仕掛けだったので拍子抜けする。
中では石版を見つけたが、どうせならもっと難しくして、
イベントとは無関係の強力なアイテムを置いてほしかった。
ここをクリアしなくてもゲームはクリアできるけど、
すごく使えるアイテムが置いてある、という設定であってほしかった。
詰まったので、再び過去のふきだまりの町へ戻ったりして石版を集めるが、
結局、石版が揃う順序は大体決まっているので、
ストーリーは基本的には1本道のように思える。
もう少し分岐があっても良かったと思う。
それをやると、敵の強さのバランスや、
メッセージの整合性が崩れるのかもしれないが。
ゲームのバランスについては、いつもながら絶妙だと思う。
周辺の雑魚敵に苦戦しなくなる頃、
そこのボスにやっとの思いで勝つことができるようになっている。
新しい町で、強そうな武器や防具が売っていてもなかなか買えない。
ふくろに入っている旧装備を売ったり、戦闘で小遣い稼ぎをして
やっと1つ強力な武器を買えたときの喜び…これはまさにドラクエならでは。
アボン、フズ、ハーメリアでは、謎の老楽師がらみのイベント。
宿屋で寝ると、町の人々がみんないなくなっている。
夢の中では、かすかに聞き覚えのある旋律が…。
ここは今作でも屈指の見せ場であろう。
大地が水没し、海底神殿でグラコスと対決。
老楽師、HPを全快してくれる。
いつの間に来たんだ(笑)?というか、どうやって入ってきた?
まあいいや。
ここでも1度負ける。
打たれ弱い職業だとキツイかな、と思ってダーマに行こうとしたが…
出口が水没してしまっていて戻れない。
これはちょっとひどい。
仕方ないので1〜2回レベルを上げて再度挑み、勝つ。
ここで見つけたアイテムに、「腐った死体の心」があったが、
私は絶対に腐った死体になんかならないぞ。
いくらマリベルでも気がひけるな…
というか、ミミックとかリップスにもなりたくないぞ。
このモンスター職、前作からあるが、私は抵抗あります。やっぱり変だよ。
私はモンスターを「なめまわし」たくもないし「あまいいき」も吐きたくない。
それなら仲間に(モンスターを)できたほうがまだ良いのに。
人間のままでいたい。
と言ってるわりにバーサーカーはやりましたが(主人公)、
あれは人型だから…(笑)
グラコスを倒し、現代へ。
メザレで魔法のじゅうたんを入手。
ブルジオ邸や大地の精霊像(現代)へ行く。
今まで行けなかったところに行けるようになる、この喜びはRPGならでは。
でも今回は、あんまり船使わない気がする。それが残念。
過去で救った町には船を使って行くのだが、すでに地形などを
把握してしまっているので、感激は薄い。
海原を船でめぐり、新しい島を発見する喜びが、
今作は薄いような気がするのだ。
それは飛空石を手に入れたときも同じだった。
余程重要な所以外、行き尽くしてしまっているからだ。
現代のハーメリアへ。
学者のアズモフと弟子がいい味を出している。
しかし彼等は魔物のたくさんいる塔の中を平気でうろついているが、
大丈夫なのか(笑)?
ここでは、地下にいたキングスライムの予想外の強さに全滅。
2度目でリベンジし、スラっちを仲間にしてギガミュータントは1回で倒す。
海底神殿ではグラコス5世と闘う。かろうじて勝利。
何度目かのワープ。プロビナ。
女神像をめぐる問題が起きて村が襲われる。お決まりのパターン。
丘の上の教会で、神父が身を呈して魔物と戦闘。
男だ、神父!
竜騎兵と戦闘。
肉弾戦なので、比較的楽に倒せる。
次はルーメン。
奥の屋敷にいたボルンガとかいうブタには楽勝だったが、
塔にいた闇のドラゴンに惨敗。
2度目も負ける。ぐ、まったく歯が立たん。
仕方ないので現代に戻り、魔法のじゅうたんで飛び回ってウサ晴らし。
しかし、今回はなかなか地理を覚えられない…。
断片的には覚えているのだが、箱庭形式で冒険しているため、
どこにどの町があるのかが把握しづらいのだ。
序盤からルーラを使えるので、なおさらである。私だけだろうか…
すると、メザレの東にほこらを発見する。
じゅうたん手に入れてすぐ西へ行ってしまったので、見落としていた…(笑)。
そこでホットストーンの情報を得る。
ホンダラやブルジオに会ったのち、ホットストーンを入手。
世界一高い塔でメルビンを復活させる。
メルビンは中世の十字軍のような格好で、
IVのライアンを老けさせたような雰囲気。
頼れそうだし、あの口調。感情移入できそうだ。
ということで、名前を「カゲトラ」に変更。
メダル王にも会う。70〜80枚は集めていたので、いろいろもらう。
カゲトラを連れて再びルーメンに行き、闇のドラゴンにリベンジ成功。
その後、戻ったらルーメンが廃虚に。
もう一度行こうということで、行ってみるとヘルバオムという植物と闘うハメに。
こいつも強かった。闇のドラゴン以上ではないか?苦戦の末、なんとか撃破。
それでもまだルーメンの問題解決せず、今度は虫軍団と闘う。
虫、強い…。チビィが倒してくれて解決。チビィは生かす。
もういいよ、ほっとけ、こんな町…(笑)
でもイベントが進まないので助けるしかないんだな…
その後、現代のルーメンの隣にモンスターパークが出現。
これ以後、モンスターをなつかせてここに送ることができるようになるのだが、
このモンスターパーク、私はイマイチ燃えない。
VやVIは仲間にできるというメリットがあったが、
ここにモンスターを送ったからといって別に嬉しくないんだよな…
連れてきたモンスターに話しかけても、
「ガシャン、ガシャン」とか「グォォー」ぐらいしか言わないし(笑)、
広がるパーク内にアイテムが落ちているわけでもない。
集めるからには見返りに期待するのは当然だと思うのだが…
全種類集めると何か起こるようだが、私はそんなに暇ではない。
次はマーディラス。
魔法の国だそうで、幼子さえもメラなどを唱えると指先から火が出る模様。
おそるべし。
大神官に、ドワーフの洞くつにある星空の結晶が必要といわれる。
はいはい、またお使いですね。取ってくりゃいいんでしょ。
はい、取ってきました。
今度はマーディラスでメディルの使いと闘います。楽勝。
王が化けたゼッペルと闘います。一度(強制的に)負けるが、なんとか勝ち。
この辺は眠かったのであまり覚えていない(笑)
さて、戻ってくるとマリベルが、親父が恋しいから家に帰ると言い出す。
さては、そろそろ仲間がもう1人増えるころか。
ボルカノ親父にユバール族の話を聞き、西へ向かうと、テントがある。
入ってみると、何故か夜だ(笑)。
いろいろあって、アイラが仲間になる。
説明書のイラストから、マリベルと似たような性格かと思ったが、
意外と大人しいようで安心する。
現代のマーディラスに行って、地下墓地でマジャスティスを覚え、
聖風の谷へ行く。
このあたり、もういい加減、似たようなイベントの連続に嫌気がさしている。
イヤイヤながら黒雲の迷路などを抜け、リファ族の神殿へ。
ヘルクラウダーと闘う。
味方(ベビークラウド)を次々と呼ぶ厄介な奴。
一度全滅させられかけたが、「時の砂」で仕切り直し、
今度は、アイラがメダパニでベビークラウドを混乱させ続け、
主人公、ガボはひたすら正拳突き&攻撃で苦戦の末1回目で勝利。
あとから知ったのだが、このヘルクラウダー、ネット上では
かなりの強敵と評判の模様。結構、運に大きく左右されると思う。
次、レブレサック。
ここは過去、現代とも、ひたすら腹が立った…。
魔物に変えられた神父をかばったら、
主人公たち4人、村人にボコボコにされ、
岩山の入口へ引きずっていかれる。
おいおい、村人ごときに気絶させられてどうする…情けねえなあ。
闇のドラゴンやヘルクラウダーよりも強いのか、村人。
それならお前らが岩山に行け、まったく…。
強制的に負けてリベンジできないのも嫌だが、こういうイベントも嫌いだな。
最終的に誤解は解けるわけだが、スッキリしない。
だが傷だらけで村人を責めることなく出ていった神父、
お前は男の中の男だ。あんた最高だぜ!
プロビナの神父といい、今回は神父、大活躍ですな。
現代のレプレサック。
あまりにも腹立たしいので省略。
まあ、しかし現実としてこういう大人たちは社会に大勢いるな。
コスタールからホビット族の洞くつへ。
ガマデウス、たつのこナイト、シードラゴンズにはわりと楽に勝ち、
ひかりゴケを入手。
大灯台で、ずっと持っていた「七色のしずく」が役に立つ。
バリクナジャを蹴散らし、エンゴウで火を貰ってクリア。
現代のコスタール、大カジノ場に変わっていてビックリ。
早速やってみるが、4万ゴールド分のコインがあっさり水泡に帰す(笑)。
今回のカジノは当たりやすいと聞いたのに…
フォロッド城の東にあるほこらで、兵士に神の石を見せると、
ようやく奥に通してくれるようになる。
奥の池に花びらがあって、ここはずっと気になっていたのだ。
花びらに包まれてサンゴの洞くつへ行く。
サンゴの洞くつから、天上の神殿へ。
いろいろあって、飛空石入手。ようやく空を飛べるようになる。
しかし、あの飛空石…もっと格好よい乗り物が良かった…(笑)
そして発掘現場にダンジョン出現!
奥へ行くと、ついにオルゴ・デ・ミーラ登場。
意外とあっさり着いてしまったので拍子抜けするがやはり負ける(笑)
口惜しいので、そのダンジョンに出現する、
はぐれメタルを主人公とアイラの魔人斬りで倒しまくり、レベル上げ。
3度目で勝つ。
ついにDISC1枚目クリア、主人公のレベルは34。
プレイ時間80時間といったところ。
<DISC2>
上の内容が1枚のディスクにすべて入っているとは凄いものだ。
さてオルゴを倒し、フィッシュベルへ戻り、グランエスタードの宴に参加する。
トゥーラ弾きのヨハンを連れてマーディラスの大会に参加。
大会で優勝した勢いで、ユバール族とともに湖の祭壇へ行き、神を呼び出す。
ここでまた、ムービー流れる。アイラの顔アップが怖い…。
どうせムービーにするのなら、
鳥山明キャラを生かして、いっそアニメにすればいいのに…。
「私は神…」
ははは、なんだか怪しいニオイぷんぷん。みんなだまされすぎだ(笑)
しかし勝手にイベントは進んで、
グランエスタード王、ガボ、アイラと一緒にクリスタルパレスに行く。
今まで会ったお偉いさんが一堂に会す。
まるでドラクエVII・オールスター集合といった雰囲気。
案の定、神は悪い奴でフィッシュベル、エンゴウ、砂漠、
聖風の谷が闇に包まれる。
マリベルがまた仲間に加わる………。
クリスタルパレスを抜け出し、
コスタールに残ったメルビン1人を操作することに。
この時、メルビンは僧侶だったので少々苦労する(笑)
メルビン、灯台を登って役目を果たし、ふたたび主人公にタッチ。
謎の神殿で、赤い炎の部屋からエンゴウへワープ。
パミラを連れて火山へ行く。
火山の奥に出てくるモンスター、グンと強くなっていて困る。
しかしパミラの弟子を1人で連れてきた兵士、お前強すぎるぞ。
こっちはかなり苦労してここまで来たのに。
是非ガボとトレードしたいものだ。
炎の精霊と対決。強い。回復役のメルビンがいないのが痛いが、
なんとか勝つ。
エンゴウを救って、フィッシュベルへ。
マール・デ・ドラゴーンの船に行く。ついにシャークアイに会う。
もっと、一緒に闘ったりするのかと思ったのだが
応援してくれるだけなんて、ちと残念。
まずダーマに着いたので、ここで何かイベントがあると思って、
えんえんと2時間探索。
……………何もなし。
「きっと転職させたいキャラがいたら今のうちに転職しなさい」といった
親切心なのだろうが、逆にまぎらわしい!
怒りを鎮めて謎の神殿に行くと、
中央のほこらの、緑、黄色の炎がともっているので、まずは緑へ行く。
着いたところは聖風の谷の北、リファ族の神殿。
羽根の生えた族長を連れ、風の塔へ行くことに。
風の塔のてっぺんから始祖たちの村へワープ。
ここの族長はものぐさで、なんと掃除をたのまれる。
こんな族長は殴ってアイテムを奪ってしまえ!!
でも殴れないので、仕方なくゴミを片付けてカギを貰い、迷宮へ入る。
風の迷宮。ここは3Dの真骨頂ともいえる造りになっていた。
わずらわしいけど。
奥の宝箱を開けると、ネンガルというボスと戦闘になる。
なんだかヘンな言葉遣いの魔物。しかも容姿はダンビラムーチョの色違い。
こんな奴に負けてたまるか。
…負けた。
思いのほか、「剣の舞い」が強烈だった。
お願いだからボスキャラをもっと格好良くしてほしい…。
レベル上げがかったるいので、いったん謎の神殿に戻り、
もうひとつの、黄色い炎のほこらに入る。
着いた先は砂漠。
砂漠の民の村では、サイードが仲間になるが
こいつがなかなか頼りになる。主人公より強いのではないか?
城では、ようやく女王が直に話してくれる。
くそ、何様のつもりだったんだ、今まで。
シャーマンのじいさんが砂の上に絵を描きはじめるが、忘れた、という(笑)
好きだな、こういうじいさん。
そして、大地の精霊像の奥へ入る。ここの音楽は単調だが好き。
中は逆さピラミッドのようになっている。
ルージュの宝石を取るのに、しばし苦戦。
それ以外は何ごともなく精霊の顔を集め、シャーマンじいさんの所へ戻る。
大地の精霊復活。
こっちの方は、ボスもいないし楽だった。
順序としてはこっちが先のほうが楽だな。
一応、ここではどちらを先にしても良いわけだが、
こういう分岐をもっと増やして欲しかった…。
リファ族の神殿に戻ると、旅の扉の前でセファーナがちゃんと待っていた(笑)
ネンガルとリターンマッチ。今度は勝つ。
またものぐさ族長の部屋を掃除し、神殿で風の精霊復活。
ずいぶん尻軽な精霊だ。
マール・デ・ドラゴーンの船で七色の入り江へ。
水の精霊が復活して大陸が浮上する。
ああ、入江の底にあったのは精霊像だったのか。
ずーっと「巨大な魚」か何かだと思っていた(笑)
船で入ってみると何かの像だと分かるが、歩いていくと魚に見える…
思えば冒険の序盤から「何だろう…」思っていたものが
ようやく解けてすっきりする。
四精霊が復活し、神の正体を暴く。ダークパレスが出現する。
グランエスタード城へ行くとマリベルが抜け、メルビンと合流する。
おお、あんたを待っていたぞ。
これからは、フィッシュベルのマリベルの家で、
パーティの入替えができるようになっているようだ。
だが、このままで問題なし。
以後、マリベルをパーティに加えることは二度となかった(笑)。
さて、いよいよダークパレスに突入し、魔王と対決!
と行きたいところで、ストーリー的にもそういう展開。
しかし、こちとら大陸が元に戻ってルーラも使えるようになったので、
メダル王にも会いに行きたいし、何故か沈んだ大陸でも
移民希望の人に会っていたので、移民の町にも行きたい。
武器や防具も買い揃えたい。
いろいろやりたいことがあるのだ(笑)
せっかく盛り上がってきたところで自由度が広がるので
なんとなく気持ちが冷めてしまう…。ちょっと残念。
移民の町「ペペロンチーノ」(笑)へ行ってみると、
かなりの規模になっていた。この時点で30人近くか。
後で知ることになるのだが、35人以上になるとこの町は最終形態になる。
が、普通に進めていたのでは、とくに特徴のない大きな町になってしまう。
別にそれでも良いのだが、どうせなら特徴をもたせたい。
しかし、その条件はかなり厳しい。
商人の町にするには商人が21人以上とか、
カジノにするならバーテンや踊り子などが10人にあらくれが8人、
囚人と船乗りが6人以上?という、
普通ではやらないようなことをしなければならない。
モンスター集めでも書いたが、そんなに暇ではない。
どうせ変化を持たせるのなら、職業よりも人物にスポットを当ててほしかった。
たとえば「今夜、私のステージ見にきてね」といっている踊り子。
こう言っているだけで、実際には彼女の踊りを見ることはない。
「地図を作るために旅を続けている」というおっさん。
「わしと一緒に格闘王を目指してみんか?」という丹下段平風な老人。
戦士や兵士を集めれば、
天下一武道会みたいなのが開かれると思ったのだが、
彼等を集めてもとくにメリットはないらしい。
老人、老婆を集めても然りである。結局、ただの飾り物と化してしまう。
良いシステムだと思うだけにもったいないと思う。
せめてIIIの商人の町のように、もう少しこまめに変化してほしかった。
さて、いろいろと回ってみるが、町の人々は一様に皆おびえている。
「魔王がこわい」「もうだめだ」「ラグレイ様なら何とかしてくれる」
こんな調子である。他力本願である。
結局エンディングまでそれは変わらない。
仲間に話しかけてみても「早く魔王を倒さないと…」
みたいなことばかり言われる。
ストーリー的には仕方ないのかもしれないけど…。
で、ダークパレス。敵の強いこと強いこと…。
迷宮の奥が行き止まりになっていて、そこで4つのアミュレットを使用すると
それぞれのダンジョンを通って
オルゴ・デ・ミーラのところまでの道が開けるのだが、
途中に強い武器や防具があるので、せっかく取ったのにもったいないと思い、
私はその都度、引き返してセーブした。
(これまでの作品でも、ラストボスを倒してエンディングを迎えても
セーブできなかったから)
またそれぞれの通路にボスでもいるのかと思ったのだが、
あっさりオルゴに会えてしまった。勇んで挑んだが惨敗。
2度目も惨敗。歯が立ちそうもない。
この時点で、
主人公→バトルマスター
ガボ→海賊
アイラ→船乗り
メルビン→賢者
という状態。
本当はもっと強くすればよかったのだが、
途中でホイミスライムやバーサーカーなどの
職に就いて遊んでいたツケが回ったか。
強いか弱いか、ようは職業と特技次第なのだな。
その職業について。
はっきり言って多すぎる。こんなにいらない。
やり込みたい人向きといわざるを得ない。
大体、転職をくり返さねば強くなれないシステムが気にいらない。
もっと1つの職にスポットを当ててほしいと思う。
極端にいえば、私は主人公などはずっと武闘家でも良いとさえ思っている。
でも、それではゲームを進めるのに著しく不利になるし、やっていてつまらない。
結果、なりたくもない魔法使いや笑わせ師になる羽目になる。
ハッスルダンスを踊るメルビンや、
敵にパフパフするアイラなど見たいとは思わない。
これがIIIならまだ良い。
なまじ、キャラクターに性格をもたせるから、
違和感を感じてしまうのだ。
下級職だけでも良かったのではないか?
それでも羊飼いや船乗りはいらないと思う。
それに、キャラが5人(キーファ除く)しかいないので、
どうしても彼等を転職させつづけて使うことになる。
もっと他に動かせるキャラがいれば色々試してみたくもなる。
そうするとIIIやVのように酒場に置き去り、というキャラも多くなると思うが、
それはプレイヤーが誰を選択するかで幅が広がるのだから良いと思う。
前にも書いたが、モンスター職もいらない。
モンスターの特技はモンスターだけのものであってほしい。
それならモンスターを仲間にできたほうがよっぽど良かった。
VIのドラゴンやはぐれメタルですら違和感を覚えたのに、
あんなに沢山のモンスター職を用意されても魅力を感じない。
やり込みたい人には良いのかもしれないが、
何度も言うように(笑)そんなに暇ではない。
それから、特技と呪文。
数のわりに似たような効果のものばかりでメリハリがない。
特技が強すぎるため、呪文の出番が少ない。
マジックパワー(MP)がそれほど重要視されなくなってしまった。
IIで、初めてバギを覚え、よろいムカデ4匹を
瞬時に葬ったときの感激…それが今は感じられない。
ここでしばらくレベル&職業レベル上げをする羽目になる。
レベル上げした場所は、発掘現場のダンジョン(はぐれメタルが沢山出る)、
後から知った、
クレージュ周辺。(はぐれメタル、メタルキングを含むスライム族生息地域)
4度目の挑戦でついにオルゴを倒す。
なんだか味気なかった。BGMも変化なし。
倒した後は、IVからの恒例、強制的にいくつかの町へ飛んでいって、
人々の喜びの声を聞き、故郷の城へ戻ってくるパターン。
フォロッド城がどうなったか気になるのに…。
グランエスタードの王の
「思えばわが息子キーファが娘の宝石を盗んだのがはじまりじゃった」
という台詞が一瞬目頭を熱くさせたが、印象としてはそれぐらい。
フィッシュベルに戻り、エンディングへ。
主人公たち、あんまり村人に感謝されてないみたいだな。
「ごく普通の生活に戻りましたとさ…」といった感じ。
別に父親の跡なんて継ぎたくないと思っていても、最後は同じ。
最後の「彼」からのメッセージには素直に感動したが…
「ようやく終わったか…」
そう思えてしまったのが悲しい。
今までの作品では、「ああ、もう終わってしまうのか」と思いながら
ラストダンジョンに挑み、ボスを倒してエンディングを見ていた気がする。
それが今回は、どこかで「まだ続くのか、早く終わらせたい」
と思っていた気がする。
そして、いくつか腑に落ちない点を残したまま終わるのも後味が悪い。
せめてキーファと一度は再会してほしかった。戻って来ないにしても。
思うに、最近の作品で恒例の「クリア後のお楽しみ」、
隠しダンジョンの存在もいけないのではないかと思う。
本編終了前から、不思議な石版?などでその存在を匂わせているので、
エンディングを迎えても嬉しさがあまり無いのだ。
本当のエンディングがあるのではないか…?という余計な考えが頭をもたげ、
感激が薄れてしまっているように思える。
そのためか、エンディングテーマも全然耳に残らなかった。
隠しダンジョンも楽しみといえば楽しみだが、2つもいらない。
それよりも本編にもっと力を注いでほしかった。
しかも、その隠しダンジョンのボスはまさかとは思ったが「神」である。
ちょっと話が大きくなりすぎなのではないか?
物語中で「神」という存在を漠然と使うのは良いと思うが、
その漠然とした存在を、ああいう風に実体化して、
しかも戦うことができてしまうのは、ストーリー的に反則だと思う。
ドラクエの初期の作品では、「神」は遠くてどこか漠然とした存在だった。
天空シリーズになったIVやVまでは、
天空の主・マスタードラゴンという存在があった。
それはまだ良い。
「ドラゴンクエスト」というタイトルを冠している以上は。
もはやドラクエシリーズは「神」という存在を
あんな形で具現化しなくてはならなくなってしまったのだろうか。
個人的には、この点で私は今作のストーリーを褒めたたえる気になれない。
次回作を作るのなら(もう作りはじめているのかもしれないが)
「伝説の勇者が、悪の魔王を倒しに行く」といった初期のコンセプト、
ドラゴンクエストというタイトルの持つ意味を、
もう一度見つめなおしてほしい、そう願うのは私だけだろうか。
ともあれ、単につまらないゲームであれば、110時間(クリア時点)も
我慢してできるわけがない。やはり面白いから最後までやったのであり、
それこそがドラクエの名作たる所以でろう。
でも、やっぱり時間のない社会人にはちょっとつらい長さかな…
最後に。これはメーカーの責任だと思うが、
かなりのユーザーがフリーズの被害にあっており、
ある意味、欠陥製品になってしまったのは最大の減点対象。
5年も待たせた挙げ句、ゲームの出来以前に
製品の欠陥のせいで正当な評価が
下されないのは残念としかいいようがない。(哲坊)
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