川崎T@ファミコン大臣の「勝手にファミコン20周年記念コラム」 第三回【クソゲーと仕様の境界線】
世の中にクソゲーというものは数多くありますが、あくまでクソという認定をするのは各々のプレイヤーの個人的判断によるものであります。そんな中で、誰もが認めるクソゲーというものが、一般的に「クソゲー」として認定されていくワケですな。もちろん、個性的な嗜好でもって、人とは違う評価をする人もいますが、それは一般的には例外として扱われるモノです。しかし一般的な(多数決的な、と言ってもいい)感性でもってしても、その許容範囲によって、そのゲームの価値判断が分かれる事がある。 その境界線が「クソゲーと仕様の境界線」。 具体的に言うと、ゲームのある部分が「ああコレはクソだ」と判断されるか、「ああ、これはそういう仕様だ」と判断されるかによって、そのゲームがクソゲーか否かの一般的評価が決定するのだ。その為、ゲームによってはこの「クソゲーと仕様の境界線」のラインギリギリでユラユラしてる為に、その価値評価が正反対に分かれたりする事がおこるワケですな。この現象がイチバン顕著に出ていると思われるのが、あの「スペランカー」(アイレム)であろう。 「スペランカー」と言えば「超虚弱体質主人公の無謀な大冒険」として名を馳せているワケだが、その「虚弱」の部分で評価が分かれているのだ。 「スペランカー」を「クソ」として評価している人は、あの虚弱体質を「理不尽」で「ゲームバランスを崩壊させている」と考える。しかし一方では、あの虚弱体質は「仕様」として受け入れる人もいる。つまり、「ちょっとの高さから落ちても死亡」という現象を「ああ、このゲームにおいては、このくらいの高さはアウトっていうルールなんだな」と思うのである。感覚的には、「スーパーマリオ」において「ああ、カメは上からはオッケーだけど横からはアウトってルールなんだな」というノリに近い。(似たような位置にいるゲームとして「パルテナの鏡」がある。) つまりこの境界線を挟んでどっち側に居るかで、このゲームは「クソ」と「クソじゃない」の評価に分かれている。俺様においては絶対的後者。ズバリ言って「スペランカー」は当時相当面白いゲームの部類だった。クソゲーという人がいてビックリしたくらいだ。モチロン最初に下り坂をジャンプしてたら死亡したりした時はさすがに驚いたが、それは「なるほど・・このゲームはチョットの段差落下がミスになるんだな・・」という、ゲーム攻略の情報としてインプットされたに過ぎなかった。・・・・いや、まあ笑えたことには違い無いんだが。あと「コウモリのフンに当たっても死ぬ」っていう評価。じゃあアンタはあのフンを見た時、「ああ、コレは所詮コウモリのフンだから当たっても死なないだろう」と思ったのか!? 違うだろう。きっと避けたハズだ。つまり何の前情報も無く「このフンに当たると死ぬんだろう」という判断をしていたワケだ。それはもう「フンで死ぬ」というルールを受け入れた事に他ならない!
まあそれはそれとして、次の例としてはソフトプロの「カラテカ」。 このゲームはかなりの確率で「クソゲー」として認識されてる様だが、俺様はホントに純粋に、ひねくれた考えとか一切無く、正直このゲームは面白かった。「構えないで突っ込んで死亡」ってのは、俺様は凄〜くマニュアルを熟読してからプレイするタチなんで、この死に方自体、当時一回も経験しなかった。あらかじめ「構えて戦う」というルールを受け入れてたからだ。動きがヌル〜っとしてるのも、リアルな動きを再現した結果と取れたし、あの悪名高い「鳥」と「鉄柵」も何度か死ねばタイミングを覚える。というか当時のゲームにおいて「死んで覚える」は攻略の基本! 難易度にしても、実は敵ごとに必勝パターンがあるので、ソレさえ発見すればノーダメージで次に行ける。(もちろん、死んで覚える)「スタート地点で後ずさりして転落死」に至っては、そこまで作るサービス精神に感心すらする。フツウはここから先は行けませんよ〜という「見えない壁」を作ってゴマかすところだ。 「マインドシーカー」だって、皆さんクソと言いますが、アレは元々プレイヤーにエスパーの才能がある事が大前提のゲームですから、つまらないって事はあなたがエスパーでないからに他なりません。ちなみに俺様は実はエスパーなんですが、あのゲームはクソつまんなかったです。まあそんな感じで恐らく俺様はフツウより少し「仕様」の範囲が広めなんでしょう。きっと。要は心を広く持てばゲームはもっと楽しめるよ!と。「仕様」がキーワードです。
「星をみるひと」の移動速度が異常に遅いのも仕様だし 「レリクス暗黒要塞」の読み込みの多さも仕様だし 「エグゼドエグゼス」の画面のチラつきも仕様だし 「銀河伝承」のバグっぽく見えるヤツも仕様だし 「ミシシッピー殺人事件」がアレなのも 「スペースハンター」がアレなのも 「消えたプリンセス」がアレなのも 「ファミコンジャンプ」がアレなのも仕様だし 「スーパーモンキー大冒険」なんか存在自体が仕様なのです。 すいません2行目以降嘘です。
---------次回・第四回は【鳥肌が立ったアノ瞬間(仮題)】です。お楽しみに! |
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アントニオ 殿 |
ちょっと涙が出ました(嘘) マニュアルを熟読することは大事ですね。私の場合は、適当にやってみて死ぬ。→その後マニュアルを読み、欠点を克服→繰り返しというパターンでした。ちなみにカラテカは友人宅でやったため、マニュアルを熟読することをしませんでした。 |
哲坊 |
今回も綺麗にまとまりましたな(笑)。ありがとうございます。クソゲーか否か。その境界は人によってマチマチで曖昧なものですが、ひとつの定義付けとして素晴らしいと思います。残念ながら「カラテカ」は、友人にソフトだけ裸で借りて、ちょっとしかプレイせずに返してしまったので、その面白さを理解できませんでした。毒マーク外すべきかな。「スペランカー」や「パルテナの鏡」は大好きです。同じ例で「謎の村雨城」や「バンゲリング・ベイ」も周りの友人らが酷評していた中、ひとりで反論してました(笑)。次回も楽しみです。継続はチカラなり(笑)。 |
紫龍殿 |
非常に興味深い内容ですな。リアリティを追求してゲームバランスが非常によいとされるメタルギアシリーズだって、 |
ダイチャンスリー殿 |
すばらしすぎるお話だ! というか久しぶりすぎる書き込みなので、管理人様、皆様、よろしくお願いいたします。スペランカーはゲームど素人の私もはまりました。なんせクリアしたぐらいですから。川崎殿のあまりにすばらしいお話に私も感動しました。あの頃がなつかしい。 |
川崎T@ファミコン大臣 殿 |
毎度お読み頂いてありがとうございます。 ■哲さん |
今仲達 殿 |
川崎T様、連載3回とも面白く読ませていただきました。なかなかどうして納得していました。死んで覚えるというのはいわゆる失敗して学ぶということになりますね。そうかんがえると失敗せずにクリアできたゲームはあまり面白いと感じないものなのかな?とも思えるのですが、確かにすんなりクリアできたゲームは拍子抜けして面白さが残りませんね。スーパーモンキーはさすがに無理でしたが、消えたプリンセスはクリアしたのですけど、ということは私はまともではなかったのですね・・・(笑) |
NEP殿 |
まさに川崎Tサマのおっしゃる通りであり、一般的にはクソゲーと認知されているゲームもちょっと見方を変え、遊び方を模索していけば、名作ゲームへと変身する可能性を秘めていると言えると思います。“バカと天才は紙一重”という言葉もあるようにまさに表裏一体。しかしこの「境界線」というものの個人差は、かなり激しいものがある。いったい何故?私も元祖ファミコン世代でありますが、当時「スペランカー」はもとより、話題に出ている「カラテカ」や「バンゲリングベイ」、はては「ボコスカウォーズ」や「アストロロボSASA」等も私の周りではなんと8割くらいの人間がクソゲーと認識していた。これらの人間に猛然と反論していた私は、変わり者として見られていたものです。 |
IRIS 殿 |
境界線…というのは、はっきり定義するものでもない気がしますが、敢えて言うとすれば「システム(仕様)が少しでも楽しめるかどうか」でしょうか。当たり前だろ!と言われてしまいそうな回答で申し訳ありません(笑) |
禅 殿 |
クソゲーと仕様・・・。すべてはプレイヤーの判断によるものだと思います。失敗は成功の元、一度失敗したソフトの続編の中には普通のゲームもあります。(でも、1でだまされた!という人が多くて売れなかったというケースが多かったらしい。水戸黄門やトランスフォーマー等) (04.4.14) |
ししまる 殿 |
旨く説明できませんが、個人的論では「クソゲー=つまらない」ではないと思ってます。「クソゲー=クソなんだけど魅力がある」だと勝手に思っとります。この魅力っつーのが大事なんです!「このゲームクソじゃん」って思ってもなんかハマッてしまったり、時には大爆笑したり・・・。「クソだし何も魅力がない、純粋につまんねえ」ゲームをゴミゲーと呼んでます。うまく説明できなくてすいません・・・・。(04.4.14) |
クソゲ−志願 殿 |
「クソゲ−」の条件とはなんなんでしょか? あるひとにとってはクソゲ−が、あるひとにとっては名作ということもあるでしょうし、難しいところですね。ただ。一つだけはっきりといえることは、世のなかにはおもしろいゲ−ムとつまらないゲ−ムがあるということですかね? 食べ物でも、うまい、まずいがあるように・・・まあ、その基準は一言でいえば「好み」ですが・・・(04.6.25) |
大吉7 殿 |
初めまして。こちらに投稿している方々の意見を楽しく読ませて頂きました。未だに「あのゲームはクソだ!」「いやクソじゃない!」で知り合いと(楽しく)討論することがあります。特に年代が違うとゲームの評価も分かれますね。 でもクソゲー(と呼ばれるゲーム)って記憶に残る物が多いような気が…負のオーラというか独特のインパクトが、良くも悪くも忘れさせてくれないのでしょう。ついこの間も草野球の試合をやっている時「お前ならバントでホームラン打てる!」という見方(笑)のヤジに「おいおい、それじゃ燃えプロじゃん!」と相手がツッコミをいれてくれて、妙にうれしくなりました。20代後半ぐらいの彼は「燃えプロ」をクソと思っているのか?聞けなかったのが残念です。(04.8.1) |
れーびあ 殿 |
安くないのだから、それだけ遊ばせてくれないようならクソゲー、というのが私なりの基準のひとつですね。バグだらけで意欲が失せた「銀河伝承」「摩訶摩訶」、私にはゲームバランスが厳しく途中やめにした「ファンタシースター3」。私がこれと認める取り柄のないゲームもクソの可能性大です。上記の3つは両方とも満たしております。 中でも私がキングオブクソゲーと信じてやまないのが「未来神話ジャーヴァス」です。クリアはしましたがね・・・あれほど空しく感じたゲームはありませんでしたよ。全体的に、ひたすら無駄にめんどくさいばかり。変わり映えもしないやたら広いだけ(!)のフィールドをタラタラ歩くのも、単調な繰り返しでしかなかった名声値稼ぎや兵隊集めも、フィールドと店を何度も何度も往復しなければならなかった金稼ぎも! ダンジョンはまったく無意味、ゲームバランスが悪い、ワケわかんないワープ。シナリオなんか無いに等しく、エンディングもあっさりし過ぎ・・・、『白雪姫』とかのおとぎ話のほうがよっぽど面白いじゃんか! もう、遺恨すら感じておりますとも。これのせいで、タイトーが信じられなくなりましたし。実際、あの頃のタイトーは凄かったですからね。ぜひこれも、毒に加えてくださいな! あと、クソと言い切れないけど期待はずれだったゲームとして「ボンバザル」を挙げておきます。SFCが売り出されて間もない頃に出たパズルゲームですが、SFCという新ハードに対する期待に応えてくれなかったもので。やり込めば味もあったのでしょうが、それを知る気にもなれないほどムカついた私は即日で売りました・・・安く買い叩かれましたが。 (05.9.4) |
ギジ殿 |
私にとってクソゲーは「どう頑張っても、どうあがいても、全クリできない、あるいは楽しめないゲーム」だと考えます。ゲームという物には少なからず楽しめる可能性があり、ちょっとの工夫や発見をすることでその可能性は一気に広がりします。しかし、クソゲーはそんな可能性を微塵にも感じさせない、クソ以外の称号をつけようがないゲームなんだろうと思います。05.12.4 |
D.D.junk 殿 |
このコラム、目鱗でした。最近はハードや操作性も大きく進歩を遂げている反面、ちょっとした不自由があるだけでもそれをゲーム性として楽しめず、簡単に「クソゲー」のレッテルを貼る人が少なくないのが残念です。謎解きの難しさ・不条理さすらゲーム性だった「ドルアーガの塔」、独特すぎる操作性の「パックランド」などが評価されたあの頃は「古き良き時代」だったのかな……とか考えてしまいます。06.8.5 |
ゲーム兵 |
クソゲーとは、CGばかりをよくして操作性や物語などを無視してるようなもの、難易度ばかり高くして他は無視してるものだと思います。そして、バグの多さでもクソゲーかそうでないかが分かれたりするのではないでしょうか。あと、世の中には説明書も読まずにクソゲーだと言っている人がいるようで残念です。説明書を読んで初めて面白くなるゲームもありますから、説明書を無視してる人は読んでもらいたいと思います。以上です。07.12.19 |
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